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2012/09/12(水)
銀行の使命とは?
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銀行の使命とはなんだろう?今月6日にわたしは「カネが金の卵に」とカネがカネを生む(つまりモノ造りではなくカネ貸しで稼ぐ)ビッグな会社の姿をご紹介しました。そして、本来の農業や中小企業や産業育成に助力しながら金融業の新しい使命を果たそうとする一部の銀行の取り組みの萌芽をお伝えしました。今日はその続き、銀行の現在の状況を見てみたいと思います。そもそも銀行は預金、貸し出し、資金決済などその業務は公的役割を担っています。破たんすれば経済が大混乱に陥ります。そこで、日本も、欧州も公的資金(国民の血税)投入で銀行の失敗を尻拭いしました。1990年代後半の金融危機の際政府が銀行を助けたのことをよくご存じだと思います。今回は福島第一原発事故でほんとうは破たんした東京電力を救済しました。今後もその援助を続けようとしています。わたしなどは地方の小さな金融機関を助けようと思い、信金に預金していましたが、小さな地方銀行はつぶれ、預金もパーになりました。が、しかし、ほんの小さな金融機関以外の銀行は救済されたのです。そこで、銀行は政府が助けてくれるという信用力を背景にして、竹中平蔵金融相の「金融再生プログラム」に対応し、各行は資本増強に走りました。みずほや三菱UFJ、三井住友の各フィナンシャルグループは総額8兆円の資本調達に成功しました。みずほFGは日本一の発行済み株式数を誇ります。しかし、メガバンクはじめ多くの銀行は国の救助を当てにして銀行本来の新しい使命を果たしていないようです。医療、介護、農業、環境などの新しい需要が生まれている分野を中心にその知識と情報能力を活かし、企業を助け、日本の産業を育成するというチャレンジをしてほしいものです。トヨタや東芝、大塚薬品などの大企業はじめ主要な会社が日本には生産拠点をもっていません。今や、日本の企業とは言い難い状況です。だからこそ、今、公的資金で生き延びさせてもらった銀行がその使命を果たすときではないでしょうか。助けてもらっておいて恩返しもしない企業をこの次助ける必要ないと思います。
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