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2012/08/03(金)
福島原発事故から1年4カ月・・(6)
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原子力の安全を担う原子力安全委員会と原子力安全・保安院は事故後、機能不全に陥った。3つの事故調はいずれも二つの規制機関が事故前から能力不足だったと指摘した。そうだとすれば2つも規制機関を設置しながら役立たなかったばかりか、その役に就いていた専門官僚は給料泥棒的存在となる。政府事故調は「過酷事故は起こり得ないという安全神話にとらわれていた」、国会事故調は「規制当局は原子力の安全に対する監視・監督機能を果たせなかった」、民間事故調は「安全文化が十分に醸成されていなかった」と、それぞれ安全規制機関の機能不全を指摘した。過酷事故対策の先送り、電気事業連合会の見解への迎合、安全委員会の存在意義の希薄さなどが指摘された。例えば、05年に制定された原子力規制情報活用検討会は06年に発覚した中国電力の俣野川発電所にからむデータ改ざん問題で審議会は約4年間中断した。10年の電気事業連合会の「過酷事故対策をとらなくても既設炉の安全は十分な水準」との見解に保安院は「事業者の状況を踏まえた検討をすすめたい」と電事連に伝えていることなど最悪の迎合姿勢である。規制官庁と電気事業者との癒着関係が浮かび上がってくる。だが、担当者や電気事業者が処分されたという報道には接しないばかりか、公的資金まで投入をし、値上げで利益を確保させるという措置まで至れり尽くせりの後押しをしている民主党とはいったいなんだったのか?キツネにばかにされた国民が悪いのだろうか?財界タヌキと政界・民自公キツネ連合に日本中がススキ野の舞台にされたようではないか。9月に発足する原子力規制組織「原子力規制委員会」はほんとうに機能する規制組織となるのであろうか。眉に唾をつけてみなければなるまい。
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