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2012/05/22(火)
ふりはらひふりはらひつつ藪を漕ぐ
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人生は藪を漕ぐようなものだと思う。藪蚊が次々と襲ってくる。 前進するためにはねのけた枝がピシッ、ピシリと跳ね返って来て襲いかかる。上に気をとられていると足元の蔦や木の根曲がりなどに足をとられ、倒れそうになる。倒れてしまうこともある。そうすると、手や顔にひどい傷を負う。野茨でもあろうものなら大変なことになる。血だらけだ。そんな藪の中を進んだ後に広がりのある場所に出た時の解放感はまたなんともいえずうれしい。海でも見えようものなら叫びたくなる。藪漕ぎの後のごちそうは市街や海を眺望するうれしさだろう。海といえば、瀬戸内の海とオリーブを愛した画人がいた。洋画家・佐竹徳氏は100歳で亡くなる直前まで30年以上海を見下ろすオリーブ園でオリーブ園を描き続けたという。還暦を過ぎてから東京に家族を残して牛窓へやってきたという。ご苦労も多かったろうと偲ばれる。そんな佐竹氏の作品が2年前にオープンした瀬戸内市立美術館にあるという。行ってみたいものだ。佐竹氏が家族と離れてまで描きたいと心引かれた「牛窓の海とオリーブ」の絵に彼の息吹と心と彼の人生が感じられるだろうと思うから。
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