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2012/04/21(土)
言の葉に想い託して連綿と・・・
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言の葉に想い託して連綿と歌い次ぎ来し大和の邦は 人と人が想いを通わせるに必要な言葉の不思議さ。日本人は万葉集という壮大な作品を古代に完成させた。平安時代は歌合せ、中世は速歌、近世は俳諧として、集団或いは共同の場の文学として発展させてきたわたしたちの祖先、先輩たちの苦労、業績を思いやれば、日本の伝統的詩歌は本質的に共同性をもちながら、抒情性を鍛え上げてきたのではないかと思われる。「源氏物語」須磨巻・秋を迎えた流離の地で光源氏を中心に歌を詠みあう例を観れば、 初雁は恋しき人の連なれや旅の空飛ぶ声の悲しき 光源氏 かきつらね昔のことぞ思ほゆる雁はその世の友ならねども 良清 心から常世を捨ててなく雁を雲のよそにも思ひけるかな 民部大 輔 この後、前右近将監と続くのですが、集団での歌の詠みあいが心の通い合いとなっています。今は文学性には欠けるもののツイッターなどで心の通い合いを求めているようです。もうすこし肌と肌の触れあえるような言葉の通いあいがあればいいなと思います。
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