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2012/03/20(火)
水とりや済めど今なお寒き日ぞ
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奈良の水とりが済むと温かくなると言われていましたが、今年は寒い日がとても多いようです。しかし、西大寺観音院の裸祭りが終わると備前平野に春がくると言われてきたように春はしっかりとその足音を大きくし、近づいて来ています。春を告げる魚として旬を迎えているものの一つにさよりがあります。ほっそりとしたしなやかな体で細長い下顎を突き出しています。体色は銀色で泳ぐ姿はとてもきれいです。針魚とも呼ばれます。いただくのは刺身が第一。次が天ぷらかフライですね。味はあっさりしていますから酒の肴に絶品です。旭川の東岸の石囲いの中などでは群れてきます。アミを餌に糸を垂れると面白いように釣れたものですが、釣って帰ってからが大変でした。母親が「けんじ!おまえが釣ってきたんだからおまえが料理しなさい。食べてあげるから」 と言い放つ。「母さん、してよ!」とわたし。押し問答の末、いつもポケットに入れていたナイフで刺身に。すると、「ちゃんと ナイフ洗ったか」と母。「でえじょうぶじゃ。いつもきれえにしとる」とわたし。こんなやりとりが思い出される春先です。
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