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2012/03/15(木)
寒風や春田にわたしただ一人
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まだ風は寒いが、山はなんとなく笑いかけていて、山の口元に笑みが浮かんでいる気がする。春田も春がすぐ隣りという気がするのに、人気はなく、淋しい気がしてならない。「飛鳥美人」もそんな気持ちの部類に入るかも知れない。奈良県明日香村・高松塚古墳(7c末〜8c初)で極彩色壁画が見つかって21日で40年。この壁画は、文化庁の管理不備もあり、カビなどで劣化し、その美しさを失った。修復作業がどうにもならなくて壁画を解体したのは2007年。湿度が100%で古墳内では修復不能と判断したためだが、現在は室温21度、湿度55%の部屋で日本画の修理の専門家がカビ除去の作業をおこなっているという。外科手術用の顕微鏡で数ミリ四方をのぞき、東京文化財研究所の独自開発になるフノリを染み込ませた2ミリ角のスポンジをカビに押し当て除去していくという気の遠くなるような作業だ。一日25平方cmがやっとという。これまでの作業は余白部分のみで「飛鳥美人などの絵の描かれた部分」はこれから有識者の検討会で手法を話し合うという。かなり改善されたと文化庁担当者は胸を張っているとはいうものの、春が来たとはいえまだなお寒き感ありと思った次第です。
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