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2012/10/07(日)
日本という国の経済の行方は・・・(14)
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しかし、ベネズエラやキューバでは所得の平等化が支持されている。資本主義経済学者は所得分配と経済成長の間の関係をどのように見ているのだろうか。米プリンストン大のローラン・べナボー教授の見解を見てみよう。「1960年代の韓国とフィリピンはGDP(国内総生産)、人口など多くの経済状況は酷似していたが、韓国の方が所得の分配は平等であった。以後、韓国は急速な経済成長を遂げた。所得の平等化はチャレンジ精神が停滞し、経済成長率を低下させる。だが、貧しい人々が所得が上がり、借金をしやすくなり、貧しくてもベンチャー企業の企業家になれるチャンスが増える。低所得者が教育に投資することも可能になるので経済成長に対し、プラス効果をもたらす。低所得者の所得増は治安の安定、社会的対立や盗難を減少させる。その結果、知的財産権を含む所有権が確保され、労働意欲、チャレンジ精神を高揚させる。所得の不平等化は金持ちはより金持ちになり、経済は活性化する。が、貧困者層を増大させ、選挙で多数派を占める中間層が貧困者層に移る。それにより、所得の再分配をもとめて累進課税の強化を支持するようになるという政治システムの変化をもたらす。対立、盗難などの社会不安も増大させる。双方プラス面とマイナス面をもつが、いくつもの実証研究の結果、所得分配が不平等なほど”経済成長が鈍化する”という結果が得られた」と報告している。従って「経済成長のためには所得分配の不平等を減らすよう所得税の累進課税・資産税の強化が望ましい」と結論づけている。そうであれば、日本の消費税増税、所得税累進課税の大幅緩和、資産課税の大幅緩和という民主・自民・公明のやってきた政策こそが経済成長を妨げているのではなかろうか。
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