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2012/01/01(日)
メルマガバックナンバー(2011.01.01配信)
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【帝国新年会 at キエフ侯爵邸】
帝国に夜が来た。
長生種にとってはこれからが活動時間、ベッドの中のキエフ侯爵アスタローシェ・アスランは、微睡みの中しなやかに寝返りをうとうとして……カッと目を見開いた。
階下が煩い。喧しい。大勢の子供がキャアキャアと一斉に駆け回っている足音がする。 この喧しさには覚えがある。 アストは素肌にガウンを引っ掛けると、大股で階段を降り、騒がしい広間の扉を勢い良く開け放った。
「あー!アストのおばちゃんだー!」 「おばちゃーん、お年玉ちょーだーい」 「ぼく、おしっこ!」
次々と上がる子供達の声を全て無視し、アストは老執事の首根っこを容赦無く掴んだ。 「……おい、」 「お嬢様、明けましておめでとう御座います」 「なんだこれは!」 「皆様新年のご挨拶に」 「今すぐ教皇庁行きの船を用意しろ大至急」 「元旦はどこも休業でして……」 「どうせまたあの糞神父の差し金であろ!先月のクリスマスの大量の請求書の分も纏めてぶん殴ってやる」
凄みながらチャンダルルを締め上げるアストのガウンの裾を、小さな手が引いた。 「なんじゃ余は忙しい、トイレなら廊下の、」 「ウェンディから、おてがみ」
……文面に目を通したアストは鼻を鳴らすと、トイレをせがむ子供を担いで広間を出た。 その背中を見送った老執事は、子供達とアストの為に、新しい年を祝う宴の準備を進めさせた。
Happy New Year
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年跨ぎで戦争してました(白目)
あけましておめでとうございます。 この一年も皆様の頭上に幾億の幸いがありますように。
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