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2010/08/09(月)
江戸川乱歩
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寺島しのぶ主演の映画「キャタピラー」は、乱歩の「芋虫」がモチーフだが、お涙頂戴の反戦映画にしちゃった時点で私はもう観る気が失せてしまいました。
いやいいんだよ、アレは演出を変えるだけで反戦を強く訴える事が出来る作品だし、やってみたいという監督の意気も意図も理解出来る、でも私は乱歩同様アレはただただ絶望的におぞましくあるべきだと信じているし、だからこそ浮かび上がる人間の悲哀なり狂気なりに、読み手である我々はあの最後の一文まで「ああ……」と嘆息する事しか出来ない…… つまり、誤解を恐れずに書くならば所詮他人事、主人公の時子に「これは美談だよ」と厭らしく押し付けた周囲の人間と同じ、読み手である我々も書き手である乱歩ですらも、傍観者でしかない。
傍観者であるがゆえに、「戦争の犠牲になるのは常に弱者」だとか、「戦争はこんなにも残酷な結末しか生み出さない」だとか、蚊帳の外の此方で各々思うのだが、はたして乱歩はそんな解りきった事が言いたかったのか甚だ疑問である。 だってそうだろ、戦争なんだから、悪いに決まってる。理由がどうあれやっちゃいけないんだもの。 作家がだよ、そんな事わざわざ言う為に書くか?それを主題にしちゃうような乱歩なら、私は好きになっていない。
みたいな読書感想文を、学生時分に書いた私に先生は仰った。 「お前、可愛くない」
結構だッ!wwwwwwwwwwwwwwww
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