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2010/11/23(火)
ノクターン「遺作」
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及川浩治さんのピアノリサイタルへ行ってきました。
ショパンイヤーですからね、前回、ピアノ王子こと外山くんのショパンにも行き感動しましたが、及川さんのショパンもとても興味深い解釈でした。 及川さんが得意なのは、情熱的で力強く、色彩感豊かなショパン。
でも、なんていうかあんなショパン初めて!2音も3音も先まで聴こえる気がする。 いや意味解らないと思いますけどw、外山くんのショパンが「繊細残響溜息タイプ」ならば、及川さんのショパンは「生き急ぎ情熱家タイプ」……幻想即興曲とかバラード1番とか、運指があんな早いの初めてでした。この2曲はただでさえ早いのにもっと早かった。それでいて滑らかでピッチ正確。若かりしショパンの迸る才能が前面に押し出された演奏でした。
かと思うとですよ、「バラード3番」や「子守歌」みたいに晩年の作品になると、さっきまでの性急さはナリを潜め、何やらどっしり構えたショパンになってる。愛と苦悩の中で曲を生み出した30代のショパンになってる。
及川さんは、作品ひとつひとつのショパンの年齢(境遇/背景)に合わせて、タッチを変えていました。 プログラムがね、ショパンの作品を年代順に並べたものだったから、時の変化、つまりはショパンという人間の精神的成長(プラスにもマイナスにも)を、2時間半で我々に見せてくれたんだと思います。 こういうプログラムの組み方もあるんだねぇ。面白いねぇ。
本編最後は難曲の「バラード4番」。 そしてアンコール、ラストに持ってきたのが日記タイトルの「ノクターン(遺作)」、私の大好きな曲です。 ショパンという天才の最期を、この静かに始まり終わる旋律でそれぞれに思いを馳せ、我々は及川さんに惜しみ無い拍手喝采を贈りました。 ブラーヴォ!
〜演奏曲順〜
英雄ポロネーズ ノクターン第19番 マズルカ第5番 華麗なる大円舞曲 ポロネーズ第2番 ノクターン第7番 幻想即興曲 バラード第1番 雨だれ マズルカ第25番 華麗なるワルツ グランドワルツ プレリュード第25番 バラード第3番 子守歌 バラード第4番 ノクターン遺作
来月頭にはヴァイオリン、それからBUCK-TICKも控えています。 音楽に触れられるこの幸せたるや。
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