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2009/07/25(土)
ディートリッヒとケンプファー★134
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「ああ人形使い、丁度良いところに」 「あれ?イザークから話し掛けるパターンって珍しくない?」 「君に話があったんでね」 「下らない話ならお断りだよ」 「君にとっては些か衝撃的な話かも知れないんだが……」 「なに」 「私としてもこの事実は君に伝えといた方が今後の君の為というか大きな声では言えないというか」 「恩着せがましい。何なの」 「実はね人形使い……」 「うん」 「私と君とでは、結婚出来ないんだ」 「…………」 「何だねその顔は。ああやはり衝撃的過ぎたかな」 「…………」 「溜息なんか吐いちゃって可哀想に、人形使い」 「可哀想なのはイザークの頭だろ、余命宣告みたいな演出までして結局言ってる事は普段と同じ君の妄想なんだから。言ったろ、僕は下らない話はお断りだと」 「妄想ではなく事実d」 「知ってるよ!死ね!」 「おやおや、やはりショックだったんだね……ふふ」 「死ねって言われてどうして嬉しそうにするん……いや、いい、もう関わりたくない」 「それでね、人形使い」 「まだ何か!?」 「私のお気に入りのワインを飲んだのは君かね?」 「……急に話が飛んだね」 「こっちが本題なんだ」 「ああそう」 「先刻ワインセラーへ行ったら奥に隠しておいたシャトー・ラフィット1787が無いんだよ」 「あのさ、僕が飲むワケないだろ、アルコール駄目なの知ってるでしょ」 「あのワインは偽物だの何だのと曰く付きの貴重な一本なんだよ」 「ふぅん」 「もう二度と手に入らない幻のワインなんだよ……もし誰かがアレを割ったり飲んだりあまつさえ震えながら収縮を繰り返し甘く切なく淫らに誘う菊の花に抜き挿しをしたりなんて事になったら!そいつは万死に値する!」 「……なんか"あまつさえ"の使い方間違ってる気もするけど見事なとち狂いっぷりだね……あれ?」
窓の外 カイン 「猫ら!ねこぉ〜まてぇ〜〜にゃぁ〜〜〜〜ん」
「……取り敢えずあそこで猫とくるくる回ってる人捕まえて事情聞けば?」 「……聞くまでもない気がするけどね」
糸冬 了
シャトー・ラフィット1787についての詳細はググッたりしてみてねw
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