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2009/03/23(月)
写真追加
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怖いままで終わるのもアレなもんで、フリードリヒの作品を二枚追加しときました。 お口直しじゃないですけど、うっかりベクシンスキー見ちゃって怖い残像が目に焼き付いちゃったよって人用に。
一枚はアレこそが『樫の森の中の修道院』です、混乱させちゃってごめんなさいね、いや誰かに言われたワケではないのだけれど。 フリードリヒは自分で描いたあの修道院が随分とお気に入りだったらしく、アレをバックに墓場の絵とかやたら描いてます。 ディート謀反編に貼った『雪の中の修道院の葬列』は、火事で焼失しちゃって現存してないんですよねぇ、残念ながら。
もう一枚は、私の好きな『雲海の上の旅人』です。 これもまた見る人によって様々な受け取り方がありますね。 私は、遠くの空がオレンジ色をしていることから日没→旅の終わり→人生の終焉間近、な印象を受けます。 足元は険しい岩場です。けれど彼の身なりは決してみすぼらしいワケでなく、肩から背中へかけてほんの少しの緊張が伝わってくると共に、どこか凛とした、真っ直ぐな後姿にとても好感が持てます。 切り立つ崖の上にいながら、恐れることなく左足を前へ一歩踏み出し、まるでこれまでの人生を振り返るがごとく雲海を見下ろす……
フリードリヒは貧乏で孤独でした。まぁ画家に限らず芸術に人生を捧げた人は皆孤独で、生きているうちに才能に見合う収入・正当な評価を受けた人は稀ですが。 この『雲海の上の旅人』も、フリードリヒの苦しい生活という背景を思えば、孤独感先行で評する事も可能ですが、私には雲に反射した日没の光が、この絵の男を優しく照らしてくれていて、これまでの険しかった道程を労うような風が、男の上着の裾をはためかせているのだと思いたいです。
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