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2009/03/16(月)
ご卒業おめでとう&合格おめでとう
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既に卒業式を終えられた方、そして無事に合格発表を迎えられ入学を控えていらっしゃる方、おめでとう御座います。
上の学校へ進まれたり、または社会の荒波へ漕ぎ出されたり、皆さんの眼前には新しい世界が拓けています。しかし同時に新しい試練がそそりたつ壁となって待ち受けており、それは人間が成長する過程において、避けては通れぬ人生のオプションなのです。
世の中には、自分と他人しかいませんから、煩わしい人間関係にうんざりしたり絶望したり、自分の居場所を求め存在意義を見失う、そんな時もあるでしょう。 ですが先程も申し上げた通り、数々の困難も全て「人生のオプション」ですから、丸ごと自分でなんとかしないといけません。
貴方のチームメイトは貴方だけ。バッターボックスに入るのも貴方だけ。どんなに苦しくても誰も代打には出てくれません。打順一番ファースト、俺。二番センター、俺。塁に出るのも俺、監督も俺。タッちゃんも俺、南ちゃんも俺。 貴方はベンチから頭を使って指示を出し、確かな選球眼で球を打ち、塁に出て全力で走る足が必要です。守備の際は球を投げ球を取り、時にはバックホームへの強い肩も求められます。
独りのゲームは大変ですね。 マウンドは孤独です。疲れているとエラーもします。雨が降ってきて順延なんて事もあります。中止にならなきゃ勝っていたのに、延期再試合したら大敗なんて事もザラです。
独りぼっちで「死ぬまで終わらない試合」に出続けないとならないワケですが、頑張る秘策もちゃんとあるワケで。
スタンドを埋めましょう。
最初は人もまばらです。親兄弟と友人がちらほら。たまにやってきた赤の他人が「つまんねぇ試合しやがって」と、貴方を野次って不快にさせたりもします。
それでもめげずに試合に臨む貴方には、やがて沢山の声援が送られる事でしょう。 グラウンドには相変わらず独り、けれどグラウンドを囲むスタンドには、貴方の試合を楽しみにしている人がいるんです。怪我や病気だと知れば心配し、一試合勝てば一緒にビールかけしてくれたりもします。
貴方はそうやって人生で幾つもの試合をこなし、やがて現役を引退する時がやって来ます。 人生の終焉、その引退セレモニーで貴方を見送る観客達は、お別れに何て声を掛けるでしょうか。
「お疲れ様!」 「有難う!」 「忘れないよ!」 「大好きだったよ!」
そう言われるような選手でいて下さい。 良い成績なんか残さなくていいから、しわしわの笑顔で皆に手を振り、堂々と胸を張って引退を迎える選手でいて下さい。
現役試合途中、絶対に自分からマウンドを降りたりしないで下さい。 どんなに疲れても逃げたくても、絶対に自分で自分の試合を諦めたりしないで下さい。 貴方を応援していた人が、バックネット裏で悲しむから。
ニューゲームのプレイボールは、四月です。 一回表の攻撃は、貴方。
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