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2008/08/24(日)
ラドゥとイオン
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「ラドゥ!覚醒おめでとう!」 「……イオン、有難う」 「これで我ら二人は無事に一人前の帝国貴族ぞ!」 「また随分とご機嫌だね…君の事でもないのに」 「当たり前じゃ!汝は余の大切な相棒だからな!今夜も我が家に来ると良い、ご馳走じゃぞ」 「……イオン、頼みがあるんだ」 「なんじゃ?申してみよ」 「私にお祝いをくれないか」 「おお、何なりと申せ!なんじゃ?瑠璃硝子の置物か?青石を嵌めた短剣が良いか?」 「いや……相棒の契りをくれないか」 「トヴァラシュのちぎり?何だそれは」 「大人同士の相棒なら誰もがしてる。我々は子供だったからね」 「ふむ……ラドゥが覚醒した事により、漸く我らも本物の相棒になれる、そういう事か?」 「そうだね」 「よしわかった」 「…本当に?」 「何がじゃ」 「本当に私にくれる?イオン、君を、」 「ラドゥ、余は汝としか相棒の契りはせん」 「嗚呼……イオン…イオン、」 「なんじゃ、コドモみたいに抱きつきおって……そら、契りとはどうすれば良いのじゃ。契約書に互いの血でサインでもすれば良いのか?」 「……血は出るかも。凄く痛いかも」 「むぅ……平気だ、帝国貴族たるもの、耐えてみせる」 「では夜明け、君の部屋へそうっと忍んでゆくよ」 「部屋へ?まぁ良い、確か上質な茶葉があったからそれと……」 「ふふ、楽しみだな」
…………………。
「メンフィス伯、如何した?顔色が青いぞ」 「……いえ、今なんかとんでもない過去を思い出し…いやまさか……」
糸冬 了
だからね、手を出さないワケがないんだよねw
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