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2006/09/25(月)
花宵ロマネスク@トリブラ
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「すみません、ミルクティーを頂けますか?あ、砂糖は13杯で」
銀髪の神父サマは眼鏡の奥の瞳を優しく細めて笑った… でも今砂糖を13杯って言ったかしら。私の聞き違いかな?
「甘い物が宜しければケーキやパイも御座いますが…」 「ケーキ!パイ!いいですねぇ美味しそうですねぇ…でもですね、私の全財産がえっと、ひのふのみ…やっっっぱり4ディナールしかない…」 「し、神父サマ?」 「ですから紅茶だけで結構です。せめて血糖値を上げればローマまでは保つんじゃないかと」
そう言ってまたふわりと笑う。 なんだか憎めない人だな。
「もし宜しければ、サンドイッチでも召し上がりませんか?」 「はい?…いえいえ、ですから私の全財産は」 「ふふ、ご馳走します」
私の申し出に余程驚いたのか、神父サマは瞬きも忘れ、まるで秘境で暮らす原住民が生まれて初めて外国人を見るような目で私を凝視する。
「有難う御座います…!もしや貴女は天使様では!?」 「はは…んなアホな」 「…俺は昔約束した、人間を守ると。なのに俺の方が助けられてるな…」
足元をぬるい空気が漂う。 あれ…この感覚は…
私には解る。貴方を縛るロゴス。
ロゴス【貧乏】解放
糸冬 了 ↓ネタ元はコチラwww http://www.hanayoi.com/i/
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