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2006/07/25(火)
断罪の迷宮
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可哀想に、僕の愛しいフランベルク。 迷宮に張り巡らされた女郎蜘蛛の巣に捕らわれて…君の蒼き炎をもってしても断ち切れず。 ざまぁみろだね。 僕は君の僅かに身じろぎする背中へと、四肢の自由を奪う甘い毒を流し込むのさ。 大丈夫痛いのは初めだけ、じきに痺れて、君の思考も何もかもを止めるよ。 その呼吸のひとつをも。
小さく鳴いて迸る、幸福の飛沫。 君を縛る夢現の糸がぷつりと切れ、白い両腕が力無くだらりと垂れる。
この夜毎に繰り返される儀式を、一度でも僕が拒む事を赦さないからなのか、君が自ら拒まないからなのか… いつまでこうしてられるかな、訊いたら答えてくれるのかい?
朱に染まる君の目尻に口唇を寄せ、僕はそっと呟く。 嘘を敷き詰めた寝台に横たわる、たったひとつの僕の真実。 「…おやすみ、僕のフランベルク」
紫暗の空の彼方では、徐々に朝が始まろうとしている。
注:この作品はエステル(※中原日記内におけるエステル腐女子設定は過去日記ネタ各種参照)が夏コミ用に書いた、人形使い×炎の剣な短編の一部ですwww
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