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2006/01/06(金)
ディートリッヒとケンプファーM
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「イザーク、いる?君宛の年賀状が来てたから持ってきてあげたよ…って、何してるのさ」 「やぁ人形使い…今年も君はノックもなしに」 「はい年賀状。ねぇ、君宛の年賀状、全部飲み屋からしか届いてないってどういう事?(※中原の実話です)」 「騒がしいね…私は今精神統一の最中なのだよ、邪魔するなら出て行ってくれたまえ」 「何してんのさ」 「書き初めと云って、今年一年の抱負なんかを筆でしたためるのさ」 「抱負ねぇ…"世界平和"?年明け早々、嘘はいけないんじゃないの?」 「失敬だね、本心だよ」 「なんだ、よく見れば随分沢山書いてるね。なになに…"無色透明の結晶で高濃度の場合はアルカリ性を保っておかないとシアン化水素を…"ってコレ青酸カリの事だよね?抱負じゃないよね?しかも最後のほう字がつまっちゃってるじゃないか。ちゃんと文字数とか考えて書き出さないからこうなるんだ」 「添削してくれと頼んだ覚えはないのだけれどね。君も何か書いてみるかい?」 「暇潰しくらいにはなりそうだね」 「…おや、墨汁が切れそうだね、取ってくるよ」 「うん…えっ?まさかイザーク、その水槽から?…ねぇ、その中身さぁ…」
糸冬 了。
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