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2006/01/16(月)
劇的ビフォーアフター(ディートリッヒとケンプファーとカインA)
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ナレーション:諏訪部順一
…ベルリンに聳え立つ、築120年を迎えた"塔"。老朽化で様々な問題を抱えたこの家に、あの匠が立ち上がった。
亜空間プロデュースの匠、アイザック・バトラー。
匠がまず手を付けたのは、家の顔とも云うべきエントランス。陽も射さず、開ける度に不吉な軋みを響かせていた玄関が一変、明るく緑に包まれた憩いの場所へと生まれ変わった。 何人たりとも侵入させぬ強固な玄関扉は、炭素繊維強化プラスチック製。ロックを解除し扉を開けると、地上数十メートルを一気にぶち抜いた吹き抜けが。太陽光が燦々と降り注ぎ、美しく整えられた室内庭園を温かく照らす。シシオドシの水を受けるのは、匠が自ら工房で焼いた伊万里の大皿。水浴びをする水精が触手を拡げ、来客を笑顔で迎え入
「…イザーク」 「なんだね、人形使い。まだ途中だが?」 「最後まで黙って聞いてる程僕は優しくないんだよ。イヤだよ、クラゲが玄関に居る家なんて」 「…いつも思うんだがね、人形使い、君は文句ばかりだね」 「匠はこんな仕事はしないよ。それにさっき見てきたけど何あの風呂場。全方位丸見えじゃないか」 「男所帯なんだから恥ずかしがる事はないさ。それに生活形態がバラバラな家族にはピッタリな24時間風呂だよ?」 「君さぁ、家族設定好きだよね…とにかく僕はお断わr」 「いや〜いいお湯だったよ、アイザック〜」 「我が君、また髪の毛をちゃんと乾かさずに出ていらっしゃいましたね。お風邪を召されては大事、さ、こちらへ」 「ん〜めんどくさいな〜アイザックが拭いてよ〜」 「ではタオルを取って参りましょう。ああ、人形使い、我が君にアイスをお持ちして。冷凍庫の右端に…おや、人形使い?」 「あれ?ディートリッヒは何処行ったのかな?」 「反抗期でしょうかね…」
糸冬 了。
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