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2005/12/24(土)
ろくでなしのクリスマス
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「どっちがええかのー?なーなーどう思う?ブンちゃん」
「うっせーな!テメェはよぉ先刻から」
「ミナはホテルまで行きつける確率は半々じゃ。ヘタすりゃメシ食うてイルミネーション見てチューして終わりじゃき。陽子さんは別の男と食事の約束してるがソイツは本命じゃないし、ドラマティックが好きな女じゃけん、乗り込んで上手くいきゃ一発は確実なんじゃー」
どうすっかなーっとグジャグジャ言ってる銀髪サイテー男がどうして女にモテるのか、真田が学生という事実とともに謎だ。
「ミナちゃんとは約束してんだろぃ。イブにすっぽかす気かよ、テメーは!?」
「陽子のトコに行くにしてもミナとメシ食うてからにするわ。俺はそこまで非人情じゃなかとよ」
でもやっぱイブは一発じゃろー?と、今時ありえねー髪型をした腐れ野郎は下品な指の形に組んで嫌らしく笑った。 この世の女たちはぜってー見る目ねえよ! 俺の方が数倍男前なのによぉ。なんでこんなろくでなしがモテんだ? 腐れた悩みをグジャグジャ言ってる腐れた友人(何で俺、コイツとトモダチやってんだ?)は見捨てて、俺は帰り支度をすませる。 二段重ねのショートケーキが家で待ってるぜぃ!!
「ああ、まだいらしたんですか」
「あれ?家でクリスマスパーティがあるから帰ったんじゃなかったっけ」
とっくに帰ったと思われた、腐れ野郎のような悩みは一生涯持ちそうにない清廉潔白なジェントルマンがドアから顔を覗かせた。
「ええ、帰ろうと思ったのですが母から電話が来まして…父が急患で帰れそうにもないので、もし良かったらお友達を誘ってはどうかと言われて一応戻ってみたんですが…」
もう予定はありますよねと苦笑いしている。駄目元で戻ってきたらしい。 柳生の家のご馳走と二段重ねのショートケーキが俺の頭の中で天秤にかけられる。
「行く」
オイ!即答かよ!!?
女の二股でグチャグチャ言ってた腐れ野郎が、ありえない早さでバックを持って柳生の隣まで瞬間移動しやがった!
俺ん家、今日誰もいなくて寂しいクリスマスじゃとブン太に愚痴ってたんよ。そうですか、それは戻ってきて良かったです、丸井くんは…。ああ、ブン太は二段重ねのショートケーキが待ってるんじゃと。じゃあ丸井くん、週明けに。メリークリスマス。 メリークリスマス、ブン太。
ミナちゃんと陽子さんはどうした!?オイ!!
気の迷いのSS(になってんのか?)…すいません
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