|
2005/04/16(土)
「バンビ スペシャルエディション」映像特典編
|
|
|
それでは、DVD映像特典についてざっと感想を。
<Disc 1> 「バンビが誕生するまで 完全再現 製作スタッフ会議」
今回のDVDの中で、間違いなく最高の特典。 製作関係者の多くが他界してしまった昔の作品の場合、音声解説をつけるとなると 現代の研究者や評論家による解説という形になりそうだが、 残されていた当時の会議録を読み上げて再現することによって、 あたかもウォルトや彼のクルーがリアルタイムで語ってくれているような音声解説が実現した。
しかも、音声のみならず、プロダクション過程のアートや当時の製作風景が、 本編の流れをさえぎることなく同時に見られるようになっている。 以前、「トレジャー・プラネット」の音声解説で、ヴィジュアル・コメンタリーという似たような試みがあったが、 あれはいちいち本編が中断されて資料映像がはさまれるというもので、正直かったるかった。 今回のやり方はとってもスマート。企画した人に拍手!!
<Disc 2>
「未公開シーン」
…なんでこれだけ独立してんのか不明。「製作の舞台裏」の中に含めるべき項目。 突然アンドレアス・デジャが出てきて解説始めても、誰このおじさん?!て思われそうだし(^^;
「ゲーム&アクティビティ」
一言、イラナイと言いたいところだが… こういうのは、小さいお子様がいる家庭では需要があるものなんだろうか。 そもそも、子どもなら楽しめるというものなのか?わからないので何とも言えないや。
「製作の舞台裏」
メインとなる、“メイキング・オブ・バンビ”。 長すぎず短すぎず、程よく見応えのあるメイキング編だった。 音声解説で製作側の意図は語られているので、ここではもっと多様な視点から 「バンビ」の世界が見えてくるようになっている。 当時のクルーやボイスキャストだけでなく、研究者、学者まで、よくこれだけ揃えたという顔ぶれ。
現在のディズニー関係者では、ドン・ハーンやピクサーのジョン・ラセターから、 トップアニメーターのアンドレアス・デジャ、リック・スルーター(「リロ&スティッチ」アートディレクター)、 アーロン・ブレイズ(アニメーター、「ブラザー・ベア」監督)、 クリスティ・マルティーズ(「ホーム・オン・ザ・レンジ」バックグラウンド監修)といった フィーチャーアニメーション(WDFA)で活躍してきた面々まで登場。 …しかし、WDFAの皆さんは今、何か仕事あるんでしょうか?心配…(^^;
メイキングの他には、デジャによるリサーチライブラリー案内、「バンビ」公開年の時代紹介、 当時の劇場予告編、アートギャラリー(1枚1枚クリックする必要がなく自動で展開されるのがうれしい)など、 いかにもスペシャルエディションらしい特典多数。 マルチプレーンカメラの紹介と、短編「風車小屋のシンフォニー」が収録されているのが心憎い。 特に、シリーシンフォニーDVDを入手しそびれた人にはうれしい特典じゃないかな。
しかし、どうしてもいただけないのは、“新しい物語の誕生”などといって WDFA作品でもない、トゥーンスタジオ製の続編DVDの宣伝をしているところ。 宣伝するなとは言わないが、「製作の舞台裏」のカテゴリーに含めるという図々しさはどうかと思う。 “新旧のバンビを並べて違和感ない出来に”?ご、ご冗談を。 さわりだけでも、ストーリーもアートも思いっきりチープなのが見え見えじゃん。
アンドレアス・デジャが宣伝隊長として使われているのも痛々しい。引退した人じゃあるまいし。 まだまだ現役としてWDFAで活躍すべきトップアニメーターがこの扱いとは…。 結局、WDFAがCG作品オンリーになった今、デジャのようにCGを拒んだアニメーターに残された道は、 トゥーンスタジオでチープな続編に携わるか、ディズニーを去るかしかないということなんだね。辛い話だ。
余計な続編の宣伝が、せっかくのスペシャルエディションDVDにキズをつけているようでもったいない。 個人的には、これなら2枚組にせず、1枚で音声解説とメイキングだけ収められていた方が、 保存版として大切にしたい気になったかも。 まあ、気に入らない部分は再生しなきゃいいだけなんだけどね…(^^;
|
|
|