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2004/10/24(日) 「アラジン スペシャルエディション」本編
この日記、なんとかならないかと相変わらず思案中なのだが、
とりあえず簡単な対処として、ディズニー映画関連の話題を他と区別するために新しいアイコンを作ってみた。
たぶん、ディズニー映画について読みたくてこのサイトに来たという方が一番多いと思うので。
(…そういう方がこの日記までたどり着いてるのかは不明ですが)
DVDの感想などだけお読みになりたい場合は、このアイコンがついてる日を目印にどうぞ。

ついでに、自分が頻繁に採り上げがちなリロ&スティッチ関連のアイコンも作っといた。
まああんまり意味はないかもしれないけど、目安になれば…。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
で、早速ディズニー映画関連の日。

「アラジン」のスペシャルエディションDVDを、ようやく観終わった。
特典映像の数々については長くなるのでまた後日ということで、まずは本編の感想だけ。(ネタバレあり)

この作品、最初に映画館で観た時の印象があまりにも悪かったので、
それっきり一度も観ていなかった。だから、11年ぶりということになる。

その間に私も大人になったというか、考え方が丸くなったので(そう、これでも昔に比べたらかなり丸いのだ)
今回のDVDでは、かつての嫌悪感みたいなものは全く感じることがなかった。
ふぅん、これ別にいいじゃん?という感じ。
ただ、だからといってこの作品を好きになったかというと、それもなかったりするんだけど。

当時どうしても納得がいかなかった、あまりにもステレオタイプな中東の描き方。
最近になって読んだSean Griffinの説によると、これは作詞家ハワード・アシュマンが好んだ傾向らしいが、
彼の描きたかったのは実在のアラビアではなく、彼らの文化の中にあるイメージとしてのアラビアということなので、
まあ、そういう解釈もアリなのかな、と思った。
結局は、原典となる「アラビアン・ナイト」自体、西洋人によって歪められたバージョンが流布しているわけだし。
それにしても、ベリーダンサーみたいな格好のお姫様とか“ミステリアスで野蛮な”印象のバザールのシーンはどうかと思うし、
アメリカ人じゃなきゃ理解できないモノマネやギャグの多さにはちょっと傲慢な感じを受けるけど。

この作品が大ヒットしたのは、昔は不可解だったが今なら理解できる。

ジョン・マスカー&ロン・クレメンツ監督コンビ(通称ロン&ジョン)お得意のアップテンポなストーリーに、
適度にちりばめられたロマンスや自己実現のテーマ。
作品の世界観が感じられる一貫したアートスタイル、ゴージャスなミュージカルシーン。
そして何より、キャラクターのわかりやすさがポイントだ。

貧しいけれど清い心を持ち、しっかり野心もある、ハリウッドの鑑のような主人公。
恋の相手は美しく勝気なプリンセス、敵役はいかにも悪賢い大臣(騒々しい手下つき)、
忠実でかわいい脇役たちに、オールマイティなエンターテイナーの魔神。
もう、ベタなほどに完璧なキャラ揃え。

ただ、そのキャラクターが誰一人、個人的に共感したり好意をもったりできるタイプじゃなかったのが、
私がこの作品を特にどうとも思えない理由かもしれない。
アラジンは生理的に受けつけないし(スマン)、ジーニーを演じるロビン・ウィリアムスの芸風は元々苦手だ。
ジャスミンの気の強さは、自立心よりもただのワガママに思えてしまう。

彼女に関しては、途中からライターたちがもっと自立した女性キャラにしようと苦心したらしいが
(例えば、彼女が家出したのは、父がジャファーに操られていることを見抜いて助けを求めに行くためだったことにする、とか、
最後のバトルで砂時計に閉じ込められた時も、自分の宝石でガラスを割って脱出するとか)
結局は時間と予算の都合で何も変更できなかったらしい。残念。

話の結末も、時間と予算の関係か?と思ってしまうほど、急ぎ足だ。
波乱の末だったわりには、サルタンがあっさり法を変えてハイおしまい、みたいな感じが物足りなかった。
そんな簡単に変えられる法律だったら、最初から変えとけって。
アラジンとジャスミンがロイヤルカップルとして今後やっていけるのか、かなり疑問だし。
はたしてあのふたりで国が治まるのか?(…ん?あの父ちゃんでも治められたんだから問題ないか^^;)

でも、最後のアラジンの選択が、“友情>恋”なのはおもしろかった。
ロン&ジョンの作品って、意外と恋愛どうでもいいよね、というのが多いかも。
アリエルも、あからさまに“足>恋”だし(笑)
グレートマウスとトレプラに至っては、主人公がまったく恋愛しないし。
そう考えると、ロマンス的に一番充実してたのってヘラクレスだなぁ。
“恋>神”だもんね。お相手のメグも“恋>命”ときたもんだよ。やるねハーク(笑)

そういえば、今年に入ってからのLaughinPlace.comのインタビューで、
ロン監督がこんな意味深なことを言っていたのを思い出す。
“ディズニーの2Dアニメーションが滅びたのは「アトランティス」や「トレジャープラネット」のせいじゃくて、
「アラジン」や「ライオンキング」のせいだよ”と。

http://www.laughingplace.com/News-ID210250.asp

確かに、確かに。
「アラジン」がこんなにヒットしなければ、アニメーション産業は儲かる、という認識はできず、
他社との競争も起きず、ディズニーは、まったりとしたペースで作品を送り続けることができたはずだ。

それに加えて、“派手でわかりやすくて現代的”が良いアニメーションの条件、という暗黙の掟のようなものも
できなかったはずだし、後の作品が常に黄金期と比べられてこっけなされることもなかったのに、と思う。

いろんな意味で功罪の大きすぎる作品だったんだ。


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