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2009/05/26(火)
夢と内的成長
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「明恵 夢を生きる」から
マレー半島に住むセノイ族は数世紀にわたって警察、監獄、精神病院の類を一切必要とせず平和に暮らしてきた部族。
この部族の生き方を長年にわたって丹念に調査してきた人類学者スチュワートは、その秘密が彼らの夢分析の能力に有ることをつきとめました。
例をあげると、朝食の時間に年長者は幼少の者達の昨夜見た夢の内容について耳を傾けて聴いてあげる。
そしてたとえば、小さい子が、どんどん下に落下して行く夢を見て怖くて目が覚めてしまったなどと語ると、父親は「それは素晴らしい夢をみたものだ。ところで、お前はどこへ向かって落ちていった?途中でどんな景色を見た?」と聞く。
子供が怖くて何も見ない前に目が覚めてしまったと言うと、それは残念なことなので、次に機会があれば、もっとリラックスしてよく見てくるようにと励ます。
その子は次に落下の夢を見た時は、睡眠中でも父親に言われた言葉がどこかに残っていて、落下を恐れず、それをより十分に「体験」出来るようになるのである。
そして、またその内容を報告をすると、年長者はそれを詳しく聞いてくれ、次の体験へとつなぐような助言を与えてくれる。
このような体験の蓄積によってセノイ族の人々は精神の健康を保つことを可能にしたそうです。
深層心理学ユング派の夢分析でも同様のことがなされ、相談者の深層心理の不安が解消されていくようです。
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