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2007/06/21(木)
「千の風になって」U
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テノール歌手の秋川雅史さんが歌う「千の風になって」が90万枚を突破し、まもなくミリオンセラーに達するとの記事を目にしました。 久し振りに世代を超えて口ずさむ歌が登場してきた感がします。
「千の風」はもともと作者不詳の英語詩を作家の新井満さんが翻訳して曲を付け、自ら歌い、様々のミュージシャンがカバーしており、特に秋川さんの「千の風」が紅白で歌われて以来大ヒットになったようです。
僕が初めて聴いたのも紅白歌合戦でのことでした。 死者となった大切な人は、風や光、雪、鳥、星など自然現象に自由に姿を変えて「あなた」のそばにいる。あなたを見守っているというメッセージが、すーっと心に入ってきて納得出来た感じがしました。
日本人が古来から持っている、あらゆるものに精霊が宿っているというアニミズムの考え方、宗教観と合っているからでしょう。
僕が書いた母を偲ぶ小説の題名を「千の風になって」としたのも、形あるものは手にしてないと忘れたり、いつかは無くなりますが、精神・思いは、いつまでも後に続く者達の心に残ると思ったからです。 更に、文字に、言葉に残せばその思いはいつまでもメッセージとして発し続けるでしょう。 僕が尊敬する河合隼雄さんが本の中で、ヨーロッパの西の端のケルトの民と、アジアの東の端の日本が共にアニミズムの考え方を持っており、世界の思想・宗教の主流と成っているキリスト教(文化)やイスラム教(文化)のような一神教的な考え方は壁に当たっており、仏教なども形骸化しており世界を調和出来なくなっており、アニミズムの考え方こそこれから注目されていくのではと、書いておられます。 白黒はっきりつける文化、思想から、あいまいなようで、敬いと優しさを産む考え方(アニミズム)こそが世界を調和させていくということでしょう。
仏陀は、万能の神を認めず、地獄、極楽もこの世の人の心の中に有ると言ったそうです。
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