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2003/10/17(金)
痩道文学仕様
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雲間から後光のようにさす日の光にはにかみながら、鶴見川のほとりを、肩の皮がズルッといっぺんに剥けてしまいそうなほど重い黒のユニクロバッグとセゾンカードのポイントでもらったソフト・スーツケースを肩からおろして歩く。もう随分と秋めいてきたからか、水辺で遊ぶ鴨の動きはにぶく、ぼくの足取りにも似て、ぼくもひととき水辺の鴨ようにしばし立ち止まる。週の中で運動ができる数少ない機会だから、もっと速く歩かねば、と自分をかりたてても、荷物の重さとこの三か月の旅の密度がぼくの足を、あと少ししたら訪れる寒い冬の北風のように凍り付かせる。 小田急線鶴川から徒歩15〜20分。川崎市麻生区を抜けて境の町田市側にある和光大学への道のりは遠い。 今日も授業の前に遅い昼食をここでとる。
関西風きつねうどん、250円 切り干し大根 50円 ほうれんそうのおひたし 50円 鶏レバーの甘露煮 80円 計 430円
完璧だ。いつもと同じ。旭川塩ラーメンのフェアにちょっとだけ誘惑されたが、なんとか振り切って。 帰りの駅までの道も、今日は十日ぶりに家に帰るかと思うと、非常勤を四つこなしたとは思えないほど、足取りは軽い。 でも、ぼくは田舎者だから、町田駅の人込みは耐えられないんだよね。もちろん、田町もすごいけど。 新横浜駅でまずごほうびのキリン一番搾り500ml、300円を飲み、ホームで悩みに悩んだ末、ワンカップ大関、かにカマ、辛口竹輪、470円を購入し、電車を待つ。 最近心を入れ替えて、趣味の読書を復活させたので、ちょうど読みはじめていた、竹内洋『教養主義の没落』中公新書を開く。しかし、電車に乗り込むも、日本酒を飲み干してしまうと、一時間ほどいつものように寝てしまった。 ********************
そんなこんなで、夜10時過ぎには家にたどり着く。 風呂に入って、軽い食事をとる。 豚肉と野菜のスープ、きゅうりの酢の物、ほうれんそうのごま和え、大根の葉の浅漬け、キムチ、韓国のりをご飯と食し、十二時過ぎ就寝。
朝、たまった疲れにも負けず、7時30分起床。 パンにピーナッツクリーム、昨日のスープ。
今日はこれからす^ぱ^銭湯に行く日。 体重計に早くのってみたい。 結果はまた明日。
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凛とした透明な空気を胸いっぱい吸い込みながら、娘を送っていった道を自宅へとまたのぼり返す。彼女から手向けられた、さるすべりの切り枝の花香が陽光にゆっくりと溶け込んでいった。
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