ロバート日記
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2005/05/28(土) マンガ始めて物語
てな番組が昔TVKで放映されていたな。
カバみたいな変な生物とギャルの司会のやつ。

というテーマで、ロバート・プレゼンツ「日記・始めて物語〜ギター編」

個人的には新しい楽器には、はっきり言ってまるで興味がない、そんな俺様が大好きな古(いにしえ)のギター・メーカー、National社(何度も云うが家電メーカーのそれとは全く関係無しの同名異社。ちなみに90年代に入ってから再び活動を始めてます。)初のエレクトリック・スチールギター「エレクトリック・ハワイアン」について書こうと思うが、いささか長くなりそう(既に長いな)、且つ多分にマニアックな内容になるであろうからして、興味の無い者は飛ばして明日の日記から読みやがれ。

と言って明日の日記を書かない、というのはダンキチの得意技だがね。
まあ始めようか。


1920年代までに、既にリゾネイター搭載の銘器の数々でハワイアン・スチールギター界に不動の地位を築いていたNational社は'35年に初の本格的エレクトリック・スチールギターを発表する。

察するに、それまで前述のリゾネイター・ギターの金属性ボディの製造を依託していたRickenbacher社(←当時の表記)が、'32年に発売した世界初の量産型エレクトリック・スチールギター「フライング・パン」の存在に刺激されたのだろうね。

「下請けがうまいことやりやがった。ウチもやるべ」
的なNational社社長の鶴の一声、みたいなのがあったかどうかわからんけど、多分そんな感じだと思うね。

「フライング・パン」と同様のアルミ・ダイキャスト(鋳造)・ボディという同じような構造を持つが、そこはやはり天下のNational社(俺様の贔屓的誇張表現)、エレクトリック心臓部はR社とは別物の、ブレード式ポールピースを持つP.U.等で仕上げたのであった。

ヴィジュアル的・サウンド的にも、単純なデザインのR社より数万倍芸術的な(やはり贔屓的誇張表現)魅力溢れる外観、迫力の低音を生むロングスケールなどを誇る実に素晴らしい逸品に仕上がった「エレクトリック・ハワイアン」であった。

と、ここまでRickenbacherをこきおろすような書き方をしてきたけど、ひょっとするとこのモデルのボディ製造にもRickenbacher社が関わってるのかもしれないなぁ…。可能性は低いけど。

それについてもいろいろ推理してきたから(何せ、戦前の話&今となっては忘れ去られたマイナーな楽器の世界なので資料がほとんど無いから推理するしかないぺそよ。)かなり熱く語りたいけどメンドクサイ。ゴメンナサイ。

ついでにもう一つ言うと、Rickenbacher社のスチールギターを何本も所有&こよなく愛用しているロバートなのであった。


さて、「ロバート・スチールギター記念館」所蔵の1936年製「エレクトリック・ハワイアン」だが、かなりレアな仕様である。

発売の翌年にオプションとして追加された26フレット・バージョン。
このモデル自体が'35〜37年の間の一年数か月しか作られなかった上に、さらに短い期間のみのオプション設定。

さらにトドメが、どの資料にも全く出てこないブラック・フィニッシュ!
通常はアルミ地肌の上にボディ・トップのパネル状の部分のみゴールドの塗装、あとはクリア(透明)ラッカー、という仕様なので、これには目眩がした。

実際、入手した時には
「何だよ、オーバー・ラッカー(オリジナルの塗装の上に重ね塗りをすること)かよ、勿体ねぇ…。」
と思い、ろくに音のチェックすらせずに、それでも
「珍しいから持っておくか」
程度のノリだったのだが…どこをどう見てもオリジナル・フィニッシュなのだ。

塗料も当時の車や家電に使われていたものと同じ質感で、家に持ちかえってじっくり眺めた時には仰天したものだ。

おそらく、当時は贅沢品であった楽器にそのうえ金のかかるオプション仕様を注文した初代オーナーのことである、金にモノを言わせて特別カラーに塗らせたのではないか。

あるいはプロ・ミュージシャンならではの特別注文、もしくはプロモーション用にメーカーやディーラーが特別に仕立てたものか。

戦後、それも'60年代に入ってからはさほど珍しい話でもないが、そこはやはり戦前からリゾネイターギターに彫金、塗装で派手な楽器造りをしてきたNational社のことだ。
初の電気ギターにも容赦なくその手腕を奮ったのかもしれぬ。

音は、と言えばこれまた素晴らしく、家に持ちかえって初めて弾いた時にはそれこそ時を忘れて弾き続けた。

ロングスケールならではの滑らかな高域、豊かな低音、アルミ・ボディならではのサスティーン…、流石はNational社!と唸らされる。


そんな素晴らしい逸品だが、いかんせん70年前の楽器であるからして少々ガタがきている部分も見受けられる。

明日以降は、少しずつこのギターのレストア(修復)の模様を書いていこう。
(やいダンキチ、日記書けよ!)

ふぅ、長かった。

最後まで読んだアナタ、暇人ですね。
いや、お疲れさまでした。


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