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2004/07/26(月)
何かを得れば何かを失う
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失くしてしまった波色のビュイックのマフラーを取り戻すため、遥かな旅に出た。
なんて書くと大袈裟だけどね。 仕事前に修理工場に乗っていって、仕事帰りに乗って帰ろう、って寸法さ。
仕事終わりました。
マブしく光るマフラーと、閉まる窓を手に入れた波色のビュイックは、鼻毛をむしる音まで聞こえそうな静けさをも手に入れたのさ。
静けさや 岩に染み入る 俺の歯軋り (字余り)
一時は「マッド・マックス」とまで呼ばれた波色のビュイックはリニアモーターカーのような静かな車に生まれ変わったの。
でも、コンビニエンス・ショップの駐車場の縁石の上に腰掛けて少し懐かしい話でもしてるだろう人達の横でエンヂンをかける時や、信号の変わり目にアクセルを踏み込む時の、まわりの冷たい視線がなかば快感になってきていた頃だったので、あの音がもう聞けないかと思うと少し寂しい気持ちもするの。
何より、エンヂンをかけた時、猿のような奇声をあげて喜んでくれたダンチーキのことを思うと、とても切ないの。
そんな波色のビュイックは、ソザワ邸の駐車場に音もなく滑り込んだ。
軽く新曲の練習をしたり、詳細未定な感じの一時を過ごし、音もなく帰りました。
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