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2004/09/10(金)
公開シンポジウム「食と大地」
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9月10日、有楽町・朝日ホールで行われた味の素食の文化センター主催の公開シンポジウムへ行って来ました。
@基調講演:「世界の土壌は今」松本聡氏(秋田県立大学教授) *(要約)人類は高々30センチにも満たない肥沃な表土を繰り返し耕作することによって、命を繋ぎ、高い文明を育む基礎を築いてきた。文明の衰退の歴史は土壌劣化による土壌の放棄と新しい土壌を求めて新天地に移行する繰り返しの歴史と見ることができるが、この土壌の劣化は今、嘗て経験しなかった難しい局面に差し迫ろうとしている。一つに居を構えて、食糧生産の持続性を約束してくれる土壌の創造は可能であろうか?水稲生産の形態の中にその一例を見出すことができる。
Aシンポジウム「大地の恵みとその将来」 コーディネーター 熊倉功夫(林原美術館館長) パネリスト 小山修三(吹田市立博物館館長) 小長谷有紀(国立民族学博物館教授) 佐藤洋一郎(総合地球環境学研究所) 原田信男(国士舘大学教授) まとめと結論: *食とは植物、動物を媒介にした大地とのかかわりであり、人為的な自然環境システムの一部である。(熊倉氏) *アボリジニの冷たい火。火による環境コントロールの有効性。(小山氏) *食と大地との関わりの調和点を見つける。食の多様性とは自分を守るリスク分散。その為には、経験として作ることを幼い時にすること。(小長谷氏) *植物利用の知恵の発掘。里の喪失は食と大地の乖離であり一万年の農耕の歴史で培った財産を失いつつある。21世紀の食を考えるには、農の復権による大地との関わりを取り戻したい。(佐藤氏) *食と大地の関係をきちんと認識すること。広い意味での調和点を見つけること。(原田氏)
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