電波日記
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2004/06/02(水) [阿刀田高]
あとうだ・たかし さん。
「ししゃもと未亡人」の原作となった「干魚と漏電」を書かれた小説家です。
「ししゃもと未亡人」のテレビ放映を見て衝撃を受けた俺は、速攻でこの方の文庫本を買い集めはじめます。
最近では長篇も多いようですが、「ショート・ショート」というジャンルの短編小説を多く書いていらっしゃいました。
特記すべきは、物語の展開と切り口です。
例えば30ページの物語だと、29ページまではごく普通で変わった点もない日常生活が描かれるのですが、最後の1ページ、場合によっては最後の数行で、「非日常」に投げ込まれる感じです。
作品の中でも印象深いのが「街の観覧車」という短編集です。
大きな観覧車が見える街で起こる12の物語をまとめてあるのですが...
ひとつひとつ取り上げても、「奇妙な味」と形容されるような物語が多いのですが、この短編集にはもう一つ、仕掛けが施されています。
第1話では第2話の、第2話では第3話の伏線が張られているのですが、なんと第12話には第1話の伏線が張られていて、全編を読み終えた途端に世界が閉じるのです。それこそタイトルになってる観覧車のように、どこが始まりでどこが終わりかもわからなくなるのです。
やられた、と思ったのをいまでもはっきり覚えています。

3/10の「ししゃもと未亡人」でも触れましたが、この方の講演会にも参加した事があります。ちょうど近所にできた図書館で講演会が企画されて、小躍りして喜んだのでした(笑)
他の参加者からの質問、「先生は恐いお話をかかれますが、いったいどこから題材を拾って来られるんですか?」に対し、「本当の恐怖と言うものは、それこそ日常生活の中に当たり前に存在しているのを、人がそれに気付かないだけなんじゃないでしょうか。」
...それからというもの、モノゴトに対する視点を、意識的に変えてみる事にしました。みんなが「善し」とするものは本当に「善し」としてよいものか、とか。


おかげでこんな31歳が出来上がりました。


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