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2014/04/02(水)
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4月に入りました。
少し時間があったので、久しぶりに本屋さんに行きました。 活字から離れてるので、読めるかな?と思ったけど、やはり本を目の前にすると、読みたくなります。 読書好きにしてくれたのは、多分母です。
ジャンルを問わずにいろんなものを読むようになったのだけど、最近は実生活に近いものが目に止まりがちかなぁ。 でも雑誌は買わないですね。ははは
ふらふら文庫本のコーナーを見て回っていて、ふと目に飛び込んできた文字。
「左手1本のシュート」
息子さんがバスケをしているからだね。
テレビや雑誌なんかでもたくさんとりあげらてているらしいのだけど、知らなかった。 バスケで優秀な選手がある日脳出血で倒れてからの日々を追ったドキュメンタリーなんだとか。
買ってすぐにグイグイ読んだ。
バスケと言う種目や、年齢も近いせいか、きっとどこか重ねる部分があったのかなって思う反面、リアルなのにどこかノンフィクションでない?みたいにも感じながら、ドラマっぽく読み進めた部分があったりと、変な気持ちが入り乱れる本だった。
高校入学直前に、クラブ遠征先で突然脳出血で倒れた。 意識不明、緊急搬送、緊急手術。 手術をしても植物人間になるか、麻痺が残るという苦しい未来。
ミニバス(小学生からはじまる)時代から優秀な選手で、高校でもバスケットボールをするためにと周囲から期待されていた彼。 そんな彼がまだ入学前のクラブ遠征先で倒れた。
遠征先で倒れたことで、引率の監督が病院についてきてくれた。 県外であったけれど親も呼び寄せられ、中学のときの監督にも連絡が入る。 普通、一人の子が倒れたことで、中学のときの監督にまで連絡が行くのかな?って不思議だった。 山梨から神奈川までかけつけてくれることの方が、すごく特別に思えた。 それだけ彼は有望視されていた選手だったからだろうけど・・・
ものすごく皮肉に思えた。 過去に優秀な経歴もない、ただバスケがしたい程度のなにもない選手だったら、ここまで手厚い待遇はないんだろうなって思う自分がいた。
不幸中の幸いで意識も戻り、本人がとても努力家で、バスケに対する思いがとても強い子で、またバスケをしたいという熱意がすごかったので、苦しいリハビリにも耐え、小さい身体ながらに復帰できるための努力をし続けてきた。
学校側がそれに応えるように、1年遅れでも入学できる手はずをしたり、入学してからは通学のための送り迎えをしたりと、普通ではありえない対応をしていた。 やっぱり特別な子っているんだなって。
麻痺が残る体で、一般の学校に通うのだけでも大変なのに、学校側の配慮で通学の補助をしたり、普通クラスでの勉強もできたり、周囲からの大きなイジメもなく過ごせていたことは、本当にラッキーなんだと思う。
もしこれが有力選手ではなかったら? 中学側も高校側も、こんな待遇はしてなかったんじゃないか? その子が人一倍努力家であったとしても、麻痺が残る体でのクラブ在籍すら認められないんじゃないか?
そんなことがグルグルわたしの頭の中を回っていた。
病院での名医ある担当医に診てもらえた事、リハビリなどPT、OTの良い方たちとの出会いに恵まれ、1学年遅れで入学できた高校での勉強、クラブ在籍。 いくら良い先生方の出会いがあったとしても、本人の努力なくしては復帰はできないのはわかる。
でも土台が違いすぎるのでは…という気持ちが、どうしても離れなくて。 彼の環境だけは素直によかったねと思えない自分がいる。
突然倒れ、麻痺が残る体になったのは誰のせいでもない。 一番悔しいのは本人だし。 大好きなバスケのためになら、苦しくてもなんだってする。 人の倍以上の努力を惜しまない彼は本当にすごいと思う。
でも、環境がある程度よくなくては、どんな努力家でも具現化できずに終わってしまう可能性だってあったはずだ。 周囲の大人たちがそれを整えてしまうほど、彼はすごい選手なのだろうけれど。
すごい選手だから助けられる、そのほかの光らない子は別にそんな扱いもされずに消えていってしまう。 そこがわたしにはどうにも腑に落ちないのだ。
うちの子にいろんなことが降りかかったとき、中学の顧問だけはとても熱心に接してくれた。 ミニバスのときは完全に見捨てられていた。 高校になった今もまた見捨てられている。 中学のときの顧問は本当にとても熱心だった。 バスケだけでなく、人として、という根底から熱い人だった。 怖かったけど、心底子供たちを愛して、バスケを愛してやまない人だった。 それだけに、ミニバス時代や今のクラブにはあまりいい印象はない。
そんないろんな気持ちを抱えながら、この本で登場人物の一人ひとりを身の回りの人に置き換えたりしながら読み進め、何の感動もなく終わった。
ドラマを見ているような、そんな感覚でしかなく、あんまりな感想しかなかった自分が気持ち悪い。
息子さんにこの本を読ませたらどう感じるだろう?と思って、本を見せてみたら、やっぱり知ってた。 さすがは業界(笑)有名人だ。 テレビでもやってたし、すごい話聞いて感動したわって言った。 今でもウルッとなると・・・
子供にとっては、病気で倒れて、麻痺が残る体で最後の試合に出させてもらって、左手しか使えないのにパスをもらい、ゴールを決めたという場面が輝かしく見えたらしい。
そっか。 そんな風な感想でいいのか。
わたしはどうしても周囲の取り巻きのほうが気になって仕方なかった。 人それぞれ観点は違うし、感じ方も違うんだなって思った。
子供がバスケをしていなければ、もっと違った見方、感じ方があったかもしれないね。
息子が中学時代の顧問に、もう一度会いたくなった。 そして今の状況を話して、先生はどう思うか、先生ならどうするか、聞いてみたい。
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