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2007/12/11(火)
生きる力
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冷たい雨の降った、寒い朝の大阪です。 朝の雨で、グンと冷え込みがきつくなりました。
さぶいんだよ!!
今日、仕事で、末期ガンの方とお会いしました。 顔つきはとても穏やかで、よくおしゃべりもしてくださり、とても末期ガンの方だとは思えないくらいしっかりしていらっしゃいました。
ただ、末期ともなると、痛みがかなり酷いらしく、薬無しではとても生きていけないそうです。 モルヒネを投与されるほどの痛みで苦しんでいると言うのに、会ってお話ししている間は、そんなそぶりのひとつも見せませんでした。
多分、「人と会う」と言うことだけで、気が張っていたのだと思います。 元々接客をされていた方なので、対人関係に関してはとても気を遣われる方のようで、会いに行くとわかっていれば、きちんと身支度を整えて迎えてくださるそうです。 末期ガンで手の施しようがないとのことで、身体には一切、手を加えず、通院と自宅療養だけで生活しているとのこと。
「これが今飲んでいる薬よ」と笑って見せてくださったのは、おびただしい薬の山。 袋だけでもものすごい量で、1日で飲む量とは思えないほどの薬の数々… それも1回分の量も半端ではなく、それだけでお腹いっぱいになりそうと言うくらいの薬の山でした。 それを飲むだけで精一杯のようです。 身体のあちこちが蝕まれて、造影剤で映し出されたレントゲン写真は、イルミネーションそのもので、思わず「きれいねー」と言ったそうです。 そのきれいに見えている部分すべてがガン細胞だと聞かされ、その時の気持ちは本当はどうだったんだろう?と、怖くなりました。
それでも気持ちははっきりしているので、おしゃべりはとても弾みます。 薬で痛みがマシな状態なのだと思います。 いろいろとお話ししてくださり、仕事も進みそうな感じです。 (そんな人に何の仕事をするんだと思われるでしょうが、介護保険を利用した住宅改修をするためなのです。自宅で生活しようと思うと、どうしても身体に負担が行き、改善が必要なのです)
余命はないと宣告されているとまで言っていましたが、それでも「生きる」、「自分でやりたい」という気持ちがとても強く、こんなことで人様の面倒になるか!とでも言わんばかりの勢いのよさがあるくらい、自分のことは自分でしたいという方なのです。
ここまで辛い思いをして、こんな重度の病人なのに、誰か面倒見ておくれ…と言うような弱音は決して吐き出しません。 自分でやれるんだから、自分でやりたい!そう言った気持ちが、ガンと思わせないところなのでしょうか。
わたしたちが帰ったあと、きっとベッドに倒れ込むように寝込んでいたのだと思います。 とても疲れたと思います。 調子の良いときには、お出掛けもしたりするらしいですが、とても身なりはキチンとされている方です。 失礼にも、初めてお会いしたときはあまりにも威勢がいいので「どこが病人?」と首を傾げたものでした。 でも、あれこれお話をしているうちに、「薬で生かされてるのよー」なんて笑っておっしゃったので、そのギャップに驚きを隠せませんでした。
体力的にも免疫力も落ちて聞いてるし、薬の副作用であちこちに負担が出てきています。 それでも元気そうに振る舞う力って、どこから沸いてくるのだろう? 人に弱い部分を見せたくないと言う気持ちが、とても強くある人なのだろうなと思いました。
病気はしない方がいい。 病気だからと、ふさぎ込む必要もない。 これがありのままの自分だと言うことをさらけ出し、それに甘んじない気持ちでいる。 ありのままを受け入れるのも、ある意味、精神力なんだろうなと感じた日でした。
関係ないけど、義父がまた、入院・手術することが決まりました。 年内に急に手術してしまうと言うことで、年末年始は病院で過ごすことになりそうです。(て言っても、義父が、だけどね) なんか複雑…
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