スノーボードコラムセピア
どこかでなくしたあいつのアイツ
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2004/09/21(火) 陰影礼賛
ここに1枚のCDジャケットがある.
『HOTEL COSTES 5』STEPHANE POMPOUGNAC
今回のコラムはこのCDジャケットから着想を得た.
薄暗い部屋に椅子に座ったモデルが一人.照明は彼女の流麗な像を浮かび上がらせてはいるが,その表情はほとんど影の中に隠されている.
明と暗のせめぎ合い.その境界領域において,モデルは自己の魅力を表現し,写真家は瞬間の美を切り取り,作品となる.

明るすぎるよりも,暗い空間のほうが面白い.

・暗闇では空間に深みが生まれる.どこまで空間が連続しているのか,境界が確認できない,距離感がつかめないことで有限の長さが無限に感じられる.
・暗闇は私的空間だ.暗い場所には,試しに入ってみようという気がおきないからだ.コンビニなど明るい空間ははじめての者でも受け入れてくれる感じがする.すなわち,ある領域を「暗くする」ことは「部外者お断り」のメッセージたり得る.
・宗教的空間も暗闇をうまく使っている.夾雑物のない純粋な空間を演出するのに暗くするのは効果がある.闇のなかに浮かぶろうそくのかすかな炎や,暗闇に映える色鮮やかなステンドグラス.闇のなかで強烈に際だつ光は「救済」の比喩だろうか.
・影と光のコントラストとグラデーションによって,造形的な魅力(線の流れ,ふくらみとへこみ,肌理の荒い細かい,等々)に起因する美しさが誇張される.暗い空間であればこそ,普段発見することのない微少な,しかし優れた造形的美しさを発見するかもしれない.
・100%丸見えよりも,想像力の入り込める余地としての,隠された領域があったほうが刺激的だ.それにより好奇心を刺激し,想像という無限の営みを喚起する.
・空間が暗ければ,視覚にたよることが少なくなくなり,視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の五感を総動員することをせまられる.つまり暗い空間は,理性が支配的でない,原始的・野生的な非日常の世界である.

さあカーテンを閉め切って,自分(たち)だけの世界に没入しよう.

メジャー80
商店街ものは5月のところにあります.


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