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2004/08/30(月)
ロマンチックなあなたのためのチャリ班活動記
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もう月曜日だな。
きのうは友人と蔵王に登ってきた。 院試で忙しいtkyや銀アトム3号を差し置いていくのは心苦しいものであったが、山がおれを呼んでいるような気がしていたので、もうガマンできない!(「ケロッグコンボ」より)という感じで(スノボサークル自転車班としては)つい単独行動にはしってしまった。
天候が悪く、かなり過酷な登りになることが予想された。無事に登りきり、雲を抜けて頂上が晴れていることだけを願ってスタートする。 登り始めてすぐに、雨が降りだす。序盤はとくに勾配がきついので、急激に脚や肺に負担がかかって泣きそうになる。最近、運動もろくにせず、2sぐらい体重が増えていたせいだろう。鼻水も垂れる。後輪は濡れた車道外側線のうえでスリップする。トルクのかけ方がヘタクソなのだ。 途中から雨が強くなってくる。天候があまりにもよろしくないので、走り続けることにためらいが生じてきた。しかし、友人が 「行こう、おばさん!父さんは還ってきたよ!」と言ったので、 「行こう!竜の巣へ!」とおれはシャウトした。
湿度100%の森をしばらく登る。視界が著しく悪く、あたりはなにやら恐ろしげな雰囲気に包まれている。しかし、中盤は勾配が比較的楽だし、友人もいっしょだ。ひとりで登るより楽しいし、なにより寂しくない。いつの間にか、雨は止んでいる。雨はきっと下で降っているのだ。でも、霧はまだ晴れない。
あるとき友人が、道路が乾いてきていることに気づく。うっすらと太陽が見えることにも気づく。 もう、終盤だ。勾配が再びきつくなる。ふたりの会話はなくなる。
ペダルを漕ぐことに精一杯なおれは、視界が開けていることにすぐには気づかなかった。拳を高く突き上げ、「晴れたー!」と叫んで、樋口さんの「1/6の夢旅人2002」が流れてもよいシチュエーションだったが、おれはその瞬間を逃してしまった。晴れていることに地味に気づいたのである。でも、その地味さもまたよい。辺りは静かで、自分の荒い呼吸しか聞こえない。完全に自分の世界に集中し、あるときふと外の世界に目をやると、事態は好転している。なんともドラマチックではないか!いい!いいぞ!おれは興奮してきた。
頂上につく少し前に、友人が、「登ったら玉こん食おう」といった。去年もふたりで串刺しの玉こんにゃくを食ったのだった。そのことを忘れていたおれは、また興奮して「思い出したー!」とシャウトした。充分に味がしみ込んで茶色になったこんにゃくを、2本食べた。こんにゃくに2回入れたのではない。
残念ながら、山頂付近は再び霧に覆われ、お釜を見ることはできなかった。しかし、クルマで来ていたカップルになんとなく「勝った!」と思えたことと、おそらく今年で最後になるであろうその友人との蔵王登りをいい気分で締めくくったことには、おおいに満足した。
いっしょに登った友人は小学校時代からの仲だが(マズヨシ以外にもうひとりいる)、おそらく来年からは別々になるだろう。会って飲むことも今に比べてずっと少なくなる。薄情なおれは、すぐに忘れてしまうかもしれない。でも、あるときふと思い出して、思い出を共有する人間がこの世界のどこかに存在するヨロコビを噛みしめてみたい。ベランダでパンツ一丁(+タンクトップでも可)、ビール片手に夜空を見上げながら感じてみたい。そんなロマンチックな人生を送ってみたい。 あんまりロマンチックじゃねえか。
P.S. 麻生久美子が載っている『GQ』誌(カルロス・ゴーンが表紙のやつ)持っているかたで、いらない人がおりましたら売ってくださいまし。彼女はヒットです。 びびb!j
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