スノーボードコラムセピア
どこかでなくしたあいつのアイツ
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2004/05/25(火) 商店街2.0
買い物を済ませ,ふたり肩を並べて家路につく.夕日が街ぜんたいを黄色く染めている.

ふと隣を見ると,彼女が有り得ないくらい美しい.たまらなくいとおしく感じられる.
しかし同時に,自分がどうしようもなくつまらない存在に感じられる.
僕は魅力なんてとくに何もない.こんな俺と一緒でいいのだろうか?

つい
「どうして僕みたいな男と付き合おうと思ったの?平凡でつまらなくはない?」
ときいてしまった.

そうしたら彼女は
「そんなこときかないで」
と目に涙を浮かべ,弱々しく答えた.

「じゃあなんで,なんで私みたいな,わがままなな人と付き合うの?」
と問い返された.


返答に窮する.
そりゃ君は…
たまにはわがままで,思い込みが強くて,感情的.それは認めるけれど,
美しくて,頭が良くて,自由にものを考えるから…


しかし…
こんな言葉の羅列はまったく無意味ではないか?
口に出した途端に,嘘になる.違う.
言葉という道具は不完全だ.



要するに,君だけは僕にとって特別な存在ということだ.
例えるなら,僕の心の中には,君のために用意されている部屋がある.たとえ君が僕を離れていったとしても,君のための部屋はずっと空っぽのまま残る.君のために空いている空間は一生消えない.君の不在は僕の中で永遠の不在だ.


きっと彼女の中にも,自分を必要としている部屋がある.そう信じてみることにした.


「うん.さっきは下らないこときいてごめん.今はうまく言えないけど,いつかその疑問にちゃんと答えるよ」

80%フィクション
メジャー
040703

2004/05/18(火) 商店街2.5 ( 04.9.21up)
ドライブに出掛けた.
都会を西に向かえば,まだ手付かずの自然がたくさん残っている.風が心地よい
道中,彼の運転は穏やかで安心できる.しかし,駐車場では車庫入れが全くできない.
「僕バック不得意なんだよね〜」とかいいながら切り返しまくる彼.最後には「代わりにやってくんない?」と彼は私に言った.
運転を代わって車庫入れを行う.本来なら一発で決めれるが,わざと一度外側に外し,わざわざ変な切り返しを加えながら駐車.
「いや〜私も運転上手くないからさあ」と言い訳し,「まあ,いいじゃんお弁当たべよう.」と言ってエンジンを切る.
メジャー80

2004/05/11(火) 商店街3.0 ( 04.9.21up)
森林公園で弁当を食べることにする.
太陽はちょうど僕らの真上にかかり,すこし暑いくらいの秋の陽気だ.
空気は澄んでいて,芝生のスペースは十分に広々として,よく整えられている.
穏やかな休日,人々はのんびり好きなことをして過ごしている.
背の高い夫と美しい妻が笑いながら話をしている.その視線はともに走り回る2人の子どもたちを目で追っている.スケッチブックを広げ,風景を描いている初老の紳士.木陰でカップル(僕らより年上に見える)が膝まくらして耳掃除をしている.
世界は完全に調和を保っていて,何一つ心配することはないように思える.LOVE&PEACE.
適当に場所を決め,弁当を広げる.
彼女が作った弁当の中味はサンドウィッチだ.パンの角がしっかり立っていて,きれいに直角三角形に切られたサンドウィッチ.
「最近読んだ小説の中で,こんな感じのサンドウィッチが出てくる場面があって,すごおく食べたくなったんだよね.」と彼女が言う.
彼女はなにかと影響されやすいほうかもしれない.
「うまいね.パンにうすくバターがぬってある?このおかげでパンが水分を吸収してしまうことを防いでるのかな.」と僕は適当なことを言ってみる.
「その通りよ.それに具材も結構いいの使ってるし.スーパーの食材はやっぱりなんかいまいちだったから.商店街まで買い物にいったのよ.」彼女の顔は自身に満ちている.
「さすがだね.でもひとつ問題を見つけたよ.」
「えっ,何?教えて.」彼女の表情が一瞬曇る.
「今ここじゃ,このおいしいサンドウィッチが冷えたビールと一緒に食べられない,ってことだよ.」
「なんだ.それだけ?ダメ出しとかは無いの?」
「僕の知る限り最高のサンドウィッチだよ.弁当じゃなくても機会があれば作ってほしいくらいだよ.できれば冷蔵庫にキンキンに冷えたビールをたくさん用意しておいてね.」
「そう?本当に?良かったわ.」彼女の表情が輝きを取り戻す.つられてぼくの顔も笑顔になる.

メジャー80

2004/05/10(月) 商店街3.5 (2004.10.06 up)
彼の部屋で留守番をしていた.
ビデオでも見ようと思い,適当にテープを物色し,「ボーリングフォーコロンバイン」を観ることに決める.
デッキにすでにテープが入っていた.当然私は取り出しボタンを押し,テープを代えようとした.
出てきたテープのタイトルを見る.一応.もしかして見ちゃいけないものかも…
タイトルは「不法侵入」.
なんだ,ふつうの映画じゃん.と胸をなで下ろし,彼を少し疑った自分を恥じる気持ちとともに,取り出したピンク色のテープを適当にその辺に置く.
「ボーリングフォーコロンバイン」を観る.
私は今までマイケルムーア監督について誤解していた.結構まじめなところもあり,笑いあり,いい作品だった.留守番の時間を思いがけず充実させることができて,彼に感謝の念を覚えた.
元のテープをデッキに戻そうと手に取る.よく見るとタイトルは「不法侵乳」?
しかも悪いことに,テープは巻き戻されてなく,とても中途半端なところで停止されたことを示している.
うちに帰ってからゆっくり分析するため,そのピンク色のテープを自分の鞄に入れる.

メジャー

2004/05/09(日) 商店街4.0 (2004.10.06 up)
朝.いつもより早く目が覚める.きみはまだ眠っている.外は晴れたみたいだ.遮光カーテン越しにもわかるくらい明るい.きみを起こさないようにそっとベッドから降りる.

きみが眠っているのを見るのが僕は好きだ.上下そろいのパジャマに身を包んで,ベッドの横幅の1/3しか使わずに,横向きにわずかに体を折り曲げるような格好でぐっすり眠っている.今,彼女は向こう側をむいているから,寝顔は見えない.
けど,何ともいえず見とれてしまう.
首から尾てい骨にかけてのライン,肩の角度,骨盤の角度,脚の重なり具合,足首の曲がり具合…
身体の構造の神秘を感じさせる絶妙のバランスを持った寝姿だ.絵になると思う.
朝の神聖な気配のなかで,僕だけが鑑賞している芸術.
その辺にある紙に,スケッチを描いてみるとしよう.きみが目を覚ますまで,僕は世界で1番幸福な絵を描いている画家でいよう.

ダイナミスタ A.K.A. メジャー


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