ヨネちゃんの海中記
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2004/06/27(日) 観天望気
観天望気という言葉がある。意味は、自然と共に暮らしているような人、例えば、年配の漁師が、経験と勘をたよりに、これからの天気を予測するというようなことではないかと、私は解釈しているのだが、最近、死語になりつつある言葉である。20年位前から海の仕事をするようになり、天気予報だけは、まめにチェックするようにしている。そこで気になるのだが、微妙なところで、例えば、風向きとかがはずれるのが
少しずつではあるが、多くなっているような気がする。何週間か前の、ある週刊誌によると、度重なるロケット打ち上げ失敗で、上げるべき筈の気象衛星を上げられず、アメリカの気象衛星にデータをもらっていて、そのデータが、80kmの誤差があり、予報がはずれるのは、そのせいもあるのではないかという事だった。でも米軍の台風進路予想は、若干、遅いがすごくよくあたる。なんといっても、世界最高レベルの先軍政治の国だから、日本とサウジアラビアあたりに貢がせた金で、超最新鋭の気象衛星を民間とは別に使っているにだろう。賢明な米国市民は、その辺を少しでもいいから、感謝してもらいたいものである。あなたたちの贅沢は、地球上の多くの人々の犠牲の上に成り立っているのだから。話しが横道にそれてしまったが、この米軍の台風予想が正確だという事について質問されたある気象庁関係者は、「あれだけ、遅い予想だと、あたってあたりまえ」というようなことを言っているのをテレビで見たが、この辺の役人体質も、天気予報がはずれる一つの原因だろう。
でも、やっぱり大きな原因の一つは、データに頼り過ぎてしまって、冒頭で述べたような、経験と勘を持ち合わせたような優秀な予報官が少なくなってしまったのではないかと思う。最近、昔の日本だったら考えられなかった事故がおこる。合理化で人手が足りなかったとかいうことも考えられるが、やはり事故を未然に感じとれるような、経験を積んだベテランが現場から去ってしまったということだろう。

2004/06/13(日) キレてる魚
「キレる」という言葉は、2とおりの解釈がある。ちょっと問題があるキレ方というのは、横須賀あたりに住む窪塚某みたいに、訳のわからない行動をとってしまうことである。才能がありすぎるが故のプレッシャーもいろいろあるだろうが、自分を強く持って、家族の為、ファンの為に生きてほしい。
一方、よいキレ方としては、「あの人は頭がキレる。」とかのほかに、ボディビルでは「キレる」というのは、「筋肉が美しい」とか、「ポーズがきまっている」とかいう誉め言葉だそうである。ボディービルの試合会場では、「先輩、キレてまーす。」とかいうかけ声が飛びかったりするのである。
この写真に写っているクマノミは、イソギンチャクカクレエビを、お客さんにみせていた私の手に噛み付く直前である。重さでいったら、多分、何万倍も小さいのに、この勇敢な行動はいったいなぜなんだろう。クマノミは卵がハッチアウトする時期を迎えている。イソギンチャクの陰に産み付けられた赤い卵をよく見ると、稚魚の目玉が透けてみえる。子どもを守らんとする親心が、この無某とも思われる行動に現れているのだろうか、だとしたらクマノミのキレかたは、窪塚的ではなくて、ボディビル的キレかたなのだろう。

2004/06/09(水) 書き忘れていたこと
大事な事を書き忘れていた。これは、6月1日に、テニアングロットを潜り安全停止をしているところである。右側に写っている人物はアルタの店長である藤沢氏である。私の近くにいた藤沢氏は、いたたまれなかったのか、海底から何かをすくい上げてきた。よく見るとそれは、小さかったが、立派なミノカサゴであった。ダイバーならみんな知ってる事であるが、背鰭に強い毒がある魚である。この写真には写っていないが、彼の手がミノカサゴにすれすれで触れそうになったこともあった。彼自身、安全停止の5分間でも無駄に過ごしたくなかったのであろう。私には、怖くてとてもできない芸当である。これくらいの気概ががないと、サイパンではガイドは勤まらないのであろう。
話しは横道にそれるが、私は武田鉄矢に似ている。初対面の人には必ず言われるので、よっぽど似ているのだろう。最初はいやだったが、最近は、老後の糧に武田鉄矢の物まねを練習している。サイパンがすごく気にいった私は、10年後は、夜は日本人観光客相手に、武田鉄矢のそっくりショウ、昼間はアルタで気楽にダイビングガイドという夢のような未来予想図を描きつつあつたが、それが無理だと思いしらされた、藤沢氏のスーパーパフォーマンスであった。

2004/06/06(日) Aーロッドのような魚
Aーロッド、ニューヨークヤンキースの3塁手で、メジャーリーグで1番の高給とりである。余談ではあるが、私は体重では彼と殆ど一緒である。身長は10センチ、向こうが高く、年収では千倍、向こうが多い。そんな彼と私が、町を歩いたら、どうなるかという事件が今日あった。
今日の2本目、深場から上がってきて、水深7m位の所で安全停止のサインをだそうかと思い、ふっと横を見ると、なんとそこには、石鯛とイシガキダイの自然交配種、通称キンダイがいたのであった。この辺では2年に1回位しか見られないレアものである。当然、お客さんも色めきたった。ちょうどそばにいた、おなじ位の大きさのサザナミヤッコには目もくれず、キンダイににじりよった。サザナミはこの辺はやたら多くて、誰も興味をしめさない。立場的には私の立場である。Aーロッドキンダイは不敵にも、水深15mの岩の下に逃げ込み、減圧のやり直しをしなければならず時間を大幅にロスした。
クラブハウスに帰った私は、大至急、カメラをセットして、お客さんを見送ることもせず、ボートで現場に1人でたちもどり、1時間位、Aーロッドを探したが、いなかった。人生、そんなもんである。日が暮れかかった頃、クラブハウスに帰ると、女房が鬼の様に怒っていた。

2004/06/02(水) CMLC−ARTHA−DiveShop
すごく長い名前なので、以下アルタと省略させてもらう。私がサイパンで使わしてもらっているサービスである。ツアーを初めて計画した時に、サイパンに50回以上通った同業者の先輩に聞いたところ、「いろいろ使ったが、総合的にみて、ここが1番」ということだった。疑い深い私はサイパンに着いてからも、某ツアーディスクにダイビングに関して質問したところ、ここを紹介された。とにかくロケーションが抜群にいい。テニアン島に1番近いし、クラブハウスの前にある桟橋から20分位で連れていってくれる。サイパンにあるグロットは、潜るのに、結構体力を使うが、テニアングロットは、ボートで行くと、すごく楽に潜れて、内容も数倍いいと私は個人的に思う。この写真のオッサンはそのボートの船長である。アルタは、接客とガイドおよびインストラクション以外は現地人のスタッフが担当している。接客とガイディングが苦手な私はB−POINTでこの現地の方がやっている仕事を担当しているので、ボートの事とか気になるのであるが、このスーパーマリオ似のおやじは、
恐しく几帳面である。私が抱いていた南の島の人とはイメージがだいぶちがう。けっして新しいとはいえないヤマハの船外機を、暇があったら整備している。昨年12月にきた時に船外機のエンジンのことでちょっと気になることがあったので、私なりの意見を日本人スタッフを通じて伝えておいたのだが、それも完璧に整備されていた。日本と違って部品もすぐ手に入るという訳ではないだろうから、頭が下がる思いである。
日本人スタッフもイケメンメン揃いだが全く気取ったところがなく親切である。値段的に若干高いが、それを補って余りあるものがある。

2004/06/01(火) サイパンツアー
サイパンに行って、スポットライトというポイントを潜った。多くの人が、米軍に追い詰められて、自ら命を絶ったバンザイクリフの真下にあるポイントである。岬の下がえぐれていて、奥行きが15m以上ある広いドームになっており、その上のほうに、ぽっかり穴があいており、そこから光がさしこんで、荘厳な雰囲気を醸し出している。60年前の悲劇がなかったかのように日本人ダイバーを楽しましてくれている。スキューバダイビングはお金のかかるスポーツである。今の日本の繁栄がなければ、こんなに多くの人が嗜む事はできないであろう。そしてこの繁栄はここで尊い命を落とされた方々をはじめとする多くの犠牲の上に成り立っている。そして廃墟になった日本を復興するのに、血のにじむようなご苦労をされた我々の先輩方に感謝するとともに、いまの平和で豊かな時代に生まれた幸せをかみしめた1日であった。


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