日本文学科
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2004/09/25(土) 懸賞論文をアレンジしただけA   ゆたか
(ほぼ原文ママ)
〔日常的な言葉からの派生〕
「普通に」は「普通」から、「なにげに」は「なにげなく」からの派生である。どちらも日常的に扱われる言葉である。また、「さむい」については、鳥肌が立つイメージから、雰囲気がしらける様→面白くないことを示す意味として広まっていった。
 こうした例は他にも多く見られ、人の性質や様子、場の雰囲気を表すものなどに多い。元々形容詞の少ない日本語では、形容詞にとりわけこうして広範囲の意味を持った単語は昔からあったようだ。また、本来なら形容詞で補うべき表現を動詞で補った表現も多いため、動詞にもその同様の派生がみられることがある。
人の性格を示す時に「カタい(堅い)」「軽い」などというのがその例である。以下は、それ以外でも、とりわけ最近になって一般化してきているものを列挙する。
(最近になって一般化した派生の例)
さむい→人の言動が面白くない、場の空気を盛り下がるものであることを示す。
おいしい→少ない労力で利益を得ることができる、得をする意味。
イタい(痛い)→見るに堪えない様。特に本人に自覚がないのに、周囲の人から見ると異質である場合に用いられる。
ヘコむ→気分が沈んでいる状態を示す。文字通り、「落ち込む」。
 どれも日常的な場面で用いられる表現であるといえる。こうした言葉はテレビなどを通じて広まることが多いようだが、使う場面を多く設定できるためか、少なくとも若者間では定着するのが非常に早い印象を受ける。

〔全然+肯定表現〕
「全然いいよ」「全然大丈夫」「全然OK」、こういった表現が今や一般化し、耳にしない日はないほどに浸透している。少し前までは間違った用法であったのにも関わらず、今では余程意識している人でないと、違和感すら覚えないのではないのだろうか。
 本来は「全然〜ない」とするのが正しい。
では、「全然問題ない」もしくは「全然構わない」ではどうだろうか。「全然+ない」という本来の用法に合致しているが、意味としては肯定的になっている。
これが成立すると、同じような意味の言葉を使って良いと錯覚するのか、
「全然問題ない」→「全然大丈夫」→「全然OK」
と、これら肯定表現が一般化してしまったと類推する。
 これはあくまで一つの小さな仮説にすぎないが、若い世代が使い出した「全然+肯定文」の形が一般化してしまったのは、やはりその方が使い勝手が良いからだということは確実である。

でも、「全然」にしても、ルールを改変してまで新しい表現を作り出す、ということは、一方ではそれら「例外」にあたる用法を使い分けて覚えないといけないということ。「ちがくて」も、「〜的には」も文法としては「例外」。これら文法無視の表現がどんどん増えたら、使いやすくて便利なはずだから使っているはずの若者表現が、実は複雑で扱いにくいものとなってしまう。
…と大体こんなまとめにしました。


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