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2004/07/28(水)
「初モノ」と純愛ブーム ゆたか
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今、世の中は「世界の中心で〜」しかり、「冬のソナタ」しかりで空前の「純愛ブーム」になってます。 たぶんゲイの人の中には、こんな「純愛ブーム」に対し、一言でも二言でも言いたい人、たくさんいるでしょう。
このブームを支えているのは、間違いなく女性ってことで。 ドラマ、映画で純愛モノが流行る以前から、少女漫画では、先駆けて「初恋モノ」「初カレもの」が次々著されてきてました。 ま、そんなことを言ったら、少女漫画なんて、半分ぐらいの話は「初カレもの」なんだけど。 タイトルにも、「初恋」「初カレ」「あの頃の…」みたいなフレーズつけて、正統派な初恋を思い出させたり、憧れさせる話が多い。そりゃあ女の子から見た初恋や初カレは、純愛じゃなきゃおかしい…のかな?
でも男の読む漫画に、初恋ものってないよね…。あっても、冴えない主人公がなぜかモテモテになったり、女の子に弄ばれたり、エッチ系に持っていく話。 大体にして、男は初めて彼女ができたりなんかしたら、それはもう友達に散々自慢した挙句、その後はエッチなことしか考えてないでしょ(10代の場合)。 そういや青年雑誌(SPA!とか)で「純愛系フーゾク」なんてでっかく特集してたなあ。これぞ男女間の「純愛価値観」の矛盾。
男女間で求められてる恋愛のカタチ、全然違ってることは明らかです。 初めての人が最後の恋愛でも構わない、はともかく、一つ一つの恋愛を大切にしたい、っていうのが女の子美学でしょうね。(ま、最近の女の子はけっこー違うけど) 男は、いろんな女の子にモテたほうがいい、男の価値が高い、ぐらいに思ってるし。そんな価値観の違いを露骨に形成してきた日本の男女が、お互いを本当に分かり合える恋愛→純愛???なんてそうそうできるものかなあ?
そしてわしが嫌いなのは、「純愛」を演出しようとする話のほとんどが、人の死を絡ませてる、ってこと。 わしが一番間近で見て感じた人の死は、高校の時の同級生の自殺なので(生々しい話でホントすみません)、死を媒介に「愛」を演出するのは、なんか共感できないのだ。
純愛なんて価値観が、全く存在しなかったようなバブルの頃ですら、「逢いたい」(歌手名忘れた)なんて、恋人の死を歌った歌が大ヒットしてるし。日本人はつくづく「好きだった人の死」という設定に弱いのだな、と思わされる。
たぶん皆、本当は分かってるよねこの「純愛」ブームの真実。 またバブルの例で申し訳ないが、「アッシーくん」「ミツグくん」みたいな「貢がせ尽くさせ恋愛」の対極にあるようで、実はその時代に合わせて作られた、どちらもただの恋愛トレンド。
わし、「初モノ」「初カレ」の方はけっこう好きかも。 なんか、中学とかの片思いとか思い出せるから。 わしは初めから親の不倫とか見て育ってない環境に感謝します。 フクザツな家庭環境とかで育った人は、「初モノ」キライかもしれないなあ…。
ま、「純愛」なんてわしにはどちらにしろ一生無縁そうな話です。 だからこそ、簡単には共感しないのかもしれません。
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