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2003/11/30(日)
日本酒をおいしく呑む aiko
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うまい酒を手に入れるには、小売店の酒の管理の良否が大事である。冷蔵ケースなどの設備も商品の整理もきちんとされている店が良い
酒の品質、性状などはラベルに書かれているから、よく読むこと、また酒やラベルに詳しい店員のいる店を選ぶこと 日本酒は生き物だから、直射日光は禁物、冷暗所に置かなければならない。含まれる成分は700種類もあるとされ、とてもデリケートなものだ。開封しなければ1年くらいはもつ。しかし時間と共に、香味などは急速に損なわれていく。開栓したら、なるべく早く飲みきりたい。飲み残しはきちんと栓をして冷蔵庫に入れておく
日本酒は燗をして飲むのが普通だが、これは平安時代から行われていた。保存方法も悪く、不純物も多いので燗をしてごまかしていたのだと思う。当初は燗鍋で、室町時代から江戸時代に徳利が一般化した。
酒が良くなっているので、冷や酒も旨い。冷やは10〜20度である。人間の官能は21度が最も敏感に反応する。コクのある重い酒は熱燗ですっきりさせてのみ、熱して香りが強すぎる辛口の酒は人肌燗でのむのがよい。吟醸酒は飲む時点でよい温度が得られる程度の冷がよい。 最近は、酒の燗も電子レンジで行うこともあるが、正当な燗は湯燗である。熱燗で55度、普通の燗で50度、ぬる燗・人肌燗で45度位につける。ちょこにつぐと、7度程下がるから口に当たる温度は38度くらいで、これは燃えほてった女性の体温なのだという。真偽の程は知らない(照
酒の肴は、古くは「酒菜」と書いた。「菜」とは添え物という意味だから、肉、魚、野菜にこだわらなかった。更に、歌謡音曲、引き出物も肴であった。
日本酒は極めて食べ物との相性がいい飲み物である。肴は日本酒を引き立て、日本酒は肴を引き立てる。温帯に位置する日本は、海の幸、山の幸が豊富であり、また季節の変化は、四季折々の旬の食べ物が食卓をにぎわす。また、日本人の主食である米から、日本酒は造られており、「米の生命」が水に溶けたものといって良い。
グルメという言葉はフランス語で正しくはグルマン、である。古くは酒の鑑定家を指した。だとすれば料理だけでなく、酒の味にも通じていなければ片手落ちだということになる。
料理と酒の相性には「調和」「平行」「反発」の3パターンがある。 日本酒には、「日本酒度」という基準がある。日本酒には糖分が混じっているため、比重が糖度によって変動する。酒を計る比重計の目盛りが+を指せば、すなわちその比重計が沈めばその酒は糖分が少ないこととなり辛口、−を指せば甘口である。いずれにせよ3〜6%の範囲の話である。
酒を冷やすと人の体は甘みの感度が鈍くなる。また、酒の酸味が強いと酒は辛く感ずる。酸味は酒の濃度に濃淡をつける。酸味が強いと味わいは濃厚になり、弱いとさっぱりしたものになりそれを淡麗という。 日本酒の味をあらわすことばは、たくさんある。「淡麗」は美人の「端麗」と発音が同じでも意味は異なる。外見ではなく本質とは味わってみてこそわかるものだ。味は甘、酸、辛、渋の5味の調和で醸し出されるものであり、色合い、香りの表現が加わるから、その表現は多彩・多様になり70〜80種あるという。
一般的には甘い料理に甘口の酒、辛いあるいはしょっぱい料理には辛口の酒、濃い味付けの料理には濃厚な酒、そして薄味の料理には淡麗な酒が「調和」すると言われる。
むろんへそ曲がりには、「反発」の組み合わせもおもしろい。 甘口の酒は料理を選ぶ。限度が過ぎればただくどいだけになりやすい。肴がウナギやブリ照り焼きなら、酒は甘口でも淡麗を、濃厚な酒には、肴として西京焼きなどが一歩控えた甘みを合わせる。
その点、辛口の酒は、概して肴を選ばず、トロや下り鰹などの脂肪の乗った肴にも合う。
大吟醸酒は酒その物が旨い。だから、クセのある肴は合わない。淡白な希少価値のある料理がよいと言われている。
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