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2009/06/03(水)
子どもと一緒に絵を見る
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サムフランシスの「ポーラレッド」を子供たちと見た。
五分間じっと絵を静かに見続け、思いついたことをワークシートに書く。
殺人現場、人が三人ダンスをしている、左下の黒いしみが人の顔に見える、そのしみが魚に見える、文字で「カス」と書いてある、雑に絵具をばらまいた、花畑みたい、道路が広がっている、鳥居の形、赤の面積が多い、色の工夫をしている、死体、魚のうろこが飛び散っている、明るい絵、怖い絵、グロテスク、戦争、だんだん楽しくなって沢山のいろをばらまいた、晴れているのに雨が降っている…
意見を発表してもらい
自分の意見にはないものを「友人の意見」の欄に書く。
他者の意見を聞いてもう一度絵をみると、驚くことに本当にそう見えてくる。またさらに新しいものを発見できることもある。
友人の意見と自分の意見が似ていたら線を結ぶ
例えば、「殺人現場」―「死体」―「戦争」等
子どもたちは「死体」などというイメージが浮かんだことがいけないことだと思い発表するのをためらっていた。
しかし、「戦争がおきて人が死んだ絵」という発表をした子どもが「同じような意見はありますか?」と尋ねたところ、約2/3の子どもが共通のイメージを絵から受けていた。
この意見の後、自分の抱いたイメージが自分ひとりの「変な考え」ではないことを実感した子供たちは自由な発想をし、それを友人に伝えては絵を見直し、自分の意見を友人に話し、伝えるという時間が続いた。
この体験の感想には、 「自分の意見を人に伝えられてとても安心した。」 「人の意見を聞くことで自分の発想力が高まった」 「自分ではどうしても納得のいかない意見もあった。」 「作者が本当は何を考えてつくっていたのかしりたい」 「はじめはただのぐちゃぐちゃな絵だと思ったけど、形をいろいろ考えることで見えてくる不思議な絵だと思った」 「作品は時間をかけてみるとそこに何が描かれているかわかった」 「細かいところに集中してみる人もいれば画面全体を見る人もいて面白かった。」
などの感想が飛び出した。
自分の意見を他人の意見と比べてみる。
そして双方の共有できるところを共有し、共有できないところはとことん話し合う。
話し合えば大抵は、喧嘩になることもなく「確かにそう見えてくるね」とお互いの意見を尊重し合った。
子どもと絵をみてみよう!
その時に自分も意見をもつこと。
それは作者の画歴や時代背景の情報ではなく、自分の絵を見て生まれたイメージをもつこと。
それを闘わせてみることで、自分がどれだけ情報でものを見、それに閉じ込められてしまっているか実感できる。
明日も子どもと絵をみてみよう。
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