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2008/12/26(金)
「みる」をみる展レポート!
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KAPL(コシガヤアートポイント・ラボ)の12月の企画展
「みる」をみる展の会期を無事終えることができました。
今回の展覧会は「よくわからない」作品を鑑賞者の「みる」をみることで読み解いていこうという作品展でした。
「よくわからない」ものに出会った時、私たちはコミュニケーションを使い他人と意見を交わすことができます。
その意見の交し合いをみることで、目の前にある「わからない」ものに挑んでいく鑑賞者の方が多く来場してくださったことで時間の経過と共に面白い空間が出来てきました。
「ふきだし感想カード」に作品をみて思ったことを書き、作品の周りに貼っていく。 そうすることで、次に来た鑑賞者は作品と「ふきだし感想カード」に書かれた意見をみることができる。
ビデオカメラからの映像をプロジェクタで出力し、作品をみている状況をみることができる。
また21日には作品出品者によるパフォーマンスがありました。
・大澤加寿彦によるパフォーマンス
ふとんをふっ飛ばしてみませんか?
大澤加寿彦は言葉では良く聞くが見たことの無い状況を可視化することをテーマに制作するアーティストだ。
布団の畳み方や投げ方を工夫し何度も何度も布団を吹っ飛ばしていく。
街中での制作が同時にパフォーマンスにもなり、人が集まってくる。
「何をやっているんですか?」の質問には当然「布団をふっ飛ばしています!」
・浜野絵美による作品の共同制作
白い画用紙に走るラインは自転車の車輪に絵の具をつけて描いたもの
作品だけをみると、自転車をスーッと走らせ、爽やかで軽快に制作をしたのではないかというイメージが容易に想像される。
しかし実際には自転車の車輪からタイヤだけを取り出してじっくりと手で転がしながら制作を行っている。
作品をみて持つ制作イメージは、実際に制作をしてみることで得られる経験によって覆される。
そして、制作を体験する前と後ではの作品の見方は変化する。
・浅見俊哉による作品のギャラリートーク
一つの作品を四通りの方法でみることで、ほかの鑑賞者と作品の持つイメージを膨らませていく。
その方法は以下の通り
@まずその場でみる ↓ 意見交換 ↓ A作品の周りを歩いてみる ↓ 意見交換 ↓ B作品の上に乗ってみる ↓ 意見交換 ↓ C壁面の作品と足元の作品を同時にみる ↓ 意見交換
鑑賞者のみるを意図的に変化させることで深まっていく。
一つの作品を歩いたりしゃがんだりする身体運動を通して、様々な状況でみる。
そうすることで作品に対して主体的みることができるようになってくる。
最後には作品だけでなく、空間全体が作品のようだという意見もでた。
パフォーマンスや共同制作、トークなどもみるを拡張する一役を担っていることをこれらのイベントの後の鑑賞者の意見から伺うことが出来た。
「実際にやってみたことで作品が身近に感じられた」
「頭で考えていたことと体を動かしてみることの両方があってはじめてみることができた」
「ネタがわからないから人と話す、ネタが分からないから知ろうとする、理解はここから始まるのだと思う」
「目はみる一つの器官。体でもみたい」
年の瀬にも関わらず沢山の方の来場がありました。
KAPLは来年度も魅力的な企画展を実施していく予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
KAPL http://kapl.exblog.jp/
KAPLコミュニティ http://mixi.jp/view_community.pl?id=3882850
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