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2007/09/13(木)
NY紀行@―表現と言葉―
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NYで強く感じていたことがある。
それは、日本という島の中で表現することと世界で表現することには大きな違いがあるということだ。
それは、日本人の「裸の大様」的な意識や習慣が、現在の表現にとって、意味を成さないということ。
尊厳のある○○の派である、○○賞を受賞した、○○先生の教え子であるといった着衣は全て脱ぎ勝負しなくてはならない。
他者の前で裸になることはとても恐ろしいことだけれど、それらにしがみついている者の言葉は通らない。
「お前は何者だ!?」
その質問に着衣的な形容はいらない。
その言葉はストレートに体に通る。
「分からないことを分からないと素直に言うことが私の近道だった」と、ギャラリーのオーナーは私に言った。
ある表現を観た時、日本の方々は分かったふりをすることが多い。年代や技法、本やキャプションに書かれている、自分とは違う誰かが言ったもので分かったふりをする。
その表現を観て自分は何を感じたのか。それを他者に伝えたいと思うことで初めて話が成立する。表現も同様だ。
「自らの直感を信じろ」
「表現はシンプルなもの」
「全てがアートに通じている。広い視野を持つこと」
「続けること、続けるには長生きをすること」
「偉い大人」はみんなそろって教科書にでも載っているかのような言葉をあたかも真実かのごとく同じように言い放つ。
その言葉は自らの人生とはかけ離れていると感じるものが多い為、放たれた瞬間に消えてしまうものが多い。
しかし、オーナーのこれらの言葉は、自らの人生に裏づけされ ているストレートなものだった。
私が常に疑問に持っていた現在の状況にとっての回答も実にシンプルであったことを実感することができた。
作品展は9/22まで行っています。
A-forest Gallery
134 West 29th Street, Suite 1010 New York,NY 10001
私の作品もスライドショーで紹介されています。
http://www.a-forestgallery.com/a-forestweb/exhibition/exhibition-page.htm
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