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2005/03/28(月)
「クレーの天使」のなかから
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♪『天使とプレゼント』
なにがてんしからのおくりものか それをみわけることができるだろうか
はなでもなくほしでもなく おかしでもほがらかなこころでもなく
それはたぶん このわたしたちじしん・・・・・
♪『希望に満ちた天使』
のはらにもうみべにも まちかどにもへやのなかにも すきなものがあって
でもしぬほどすきなものは どこにもなくて
よるをてんしとねむった
やまにだかれたかった そらにとけたかった すなにすいこまれたかった ひとのかたちをすてて
はだかのいのちのながれにそって
♪『鈴をつけた天使』
ほんとうにかきたかったものは けっしてことばにできなかったもの
すずをつけたてんしにくすぐられて あかんぼがわらう かぜにあたまをなでられて はながうなずく
どこまであるきつづければよかったのか しんだあとがうまれるまえと まあるくわになってつながっている
もうだまっていてもいい いくらはなしても どんなにうたっても さびしさはきえなかったけれど
よろこびもまたきえさりはしなかった
(クレーの天使/谷川俊太郎著より)
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