Zooey's Diary
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2005/04/22(金) 「コーラス」
長らく穴底に潜っておりましたが、新緑の芽吹きとともにようやく…本当にようやく地表に浮かんで参りました。Diaryを読んで心配してメールや電話を下さった友人知人のみなさん、ありがとうございました。感謝に絶えません。今回の鬱は長かった。家族からは、更年期の始まりじゃねえの?と冷たく放置されましたが…。なんという男どもだ…。
とにかく。ようやく少し元気になった私はじっとしていられなくなって、早速映画「コーラス」を観て来ました。この映画は本国フランスでは大ヒットとなって国民の7人に1人は観たという触れ込みでしたが、日本ではまだまだマイナーな存在(都内では3箇所しか上映してない)なので軽い気持ちで行ったのですが…銀座シネスィッチの前に大行列。驚きました。あんな小さな映画館であんなに並ぶなんて…。
映画自体は意外とさっぱりとしたものでした。私はもっと泣けるかと期待していたのですが。良く言えば観客に媚びていない。でも私が脚本家だったらもうちょっと脚色するのになあ、と思うところはいくつかありました。知らないうちに「天使にラブソングを」のフランス版を期待していたのかもしれません。例えば合唱隊が何処かで優勝するとか。悪がきモンダンが最後に更生するとか。石頭で功利主義の校長が、マチューの真心に打たれて改心するとか。そういった期待をあっさりと裏切ってくれるところがフランス映画らしい、と言えば言えるかもしれません。でも静かな感動を与えてくれる作品です。主役の少年のソプラノは、それだけでも聴きに行く価値はあります。「コーラス」http://www.herald.co.jp/official/chorus/

2005/04/16(土) アイビーゼラニウム
ささやかながらもガーデニングをしていると、時々思いがけない発見をすることがあります。写真はアイビーゼラニウムですが、この花は2,3年前に植えたときは白の八重だったのです。そして今もずっと清楚な白い花が咲いているのですが、このところ同じ株から鮮やかなピンクの花が出て来ました。時が経つにつれて少しずつ花の色が変化することはよく見受けられますが、こんなふうに同時期にまったく別の色が出てくることは珍しい。この株にはまだ固い緑の蕾がいくつもあって、今度は一体何色が出てくるのか楽しみです。

2005/04/10(日)
開花宣言が出たものの寒さがぶり返したりして中々開かなかった東京地方の桜は、ここ2,3日で見事に、文句なく満開になりました。特に明日から雨の予報が出ていてこの週末が見納めと言われていることもあって、今日は何処も花見客で賑わったようです。
私は自分の誕生日がその季節ということもあって桜を愛してやみませんが、あまりにも綺麗な桜を見ているとなんとも悲しくもなります。我家の近くに桜並木があります。今日の夕方そこを通ったときには、風に花びらが舞い散って地面は真っ白に敷き詰められ、狂ったような美しさでした。果たされなかった約束、かなわなかった想い、暗闇に吸い込まれていくような孤独感、自分が生きていくことへの茫とした不安、そんなことがらへのやるせない感情に一瞬押し包まれて思わず駆け出したいような気持ちになりました。
「桜の木の下には死体が埋まっている」と書いたのは梶井基次郎です。「桜の下には鬼がいる」と書いたのは坂口安吾です。「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならない」とは、「桜の森の満開の下」の中の夜長姫の言葉です。圧倒的な美しさの前に感じてしまう怖れや不安や悲しみといったものをよく表していると思います。まあ夜更けまで飲めや歌えの大騒ぎをしている連中に、そんな感性の持ち合わせがあるとは到底思えませんが…。

2005/04/03(日) 「ダ・ヴィンチ・コード」
遅まきながらようやく読みました。ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」。土曜の夜に上巻、日曜の午後に下巻。
聖杯伝説、秘密結社、象徴学、暗号解読学、象徴寓意図像学などという言葉がふんだんに散りばめてあって、確かに知的好奇心は刺激されます。謎解きのスリルも面白いし、どんでん返しに次ぐどんでん返しにはハラハラさせられるし、世界的なベストセラーになったというのも頷けます。でも、どうも結末が肩透かし。ここまで引っ張って来て…という思いが拭えません。まあ壮大な歴史ミステリー、高級娯楽小説といったところでしょうか。所在ない週末の時間つぶしにはぴったりです。所詮キリスト教の素養のない日本人には、理解に限界があるのかもしれません。この小説、トム・ハンクス主演の映画化が決まっているとか。トム・ハンクスはちょっと違うと思うんだけどなあ…。もうちょっと線の細い知的二枚目を持って来て欲しい…誰?と言われても困るけど。

2005/04/01(金) 東京本屋考
金沢から友人が遊びに来ていて、今日は丸の内界隈を散歩しました。相変わらず私は鬱状態にあるので、よい気晴らしになって救われた思いです。丸の内という所は以前はつまらないオフィス街だったのに、ここ数年の変貌ぶりには目を見張るものがあります。ブランドの路面店やお洒落なカフェ、ブティックなども色々できて。丸ビル、オアゾ、ミクニズ・カフェ辺りを散歩。それにしても以前初めてオアゾに行ったときには失望しました。一階から四階まで丸善本店が入ったというのでかなり期待していたのですが…。本好きの常として、私は本屋というものがとても好きなのです。理想的なのは、ゆったりと広くソファがあちこちに配置してあったり、カフェが併設してあってコーヒーを飲みながら好きなだけ本が読めるという所。私は割に読むのが速いので、新刊書の一冊くらいそこで読んでしまうのです。勿論只読みでは悪いので、別の本を買ったりしますが。東京だと、ジュンク堂書店とか、東京駅の三省堂、六本木ヒルズのTSUTAYA辺り。で、オアゾにも期待していたのですが…、タダの本屋でした。カフェもソファもなし。どころか、以前日本橋にあった丸善の独特の格式のようなものも無くなってしまっている。梶井基次郎が「檸檬」の中に書き記したような雰囲気が。まったくつまらない「新しい大きな本屋」でした。そういえば少し前「青山ブックストア」がつぶれかけたとき、多くの熱烈なフアンの著名人等が「ABS存続運動」を叫んで、なんと持ち直してしまったということがありました。あそこは私の希望する条件にはひとつも当てはまらないのですけど、確かに一種独特の匂いがありました。本好きの鼻をくすぐるような。画一的ではなく、経営者の思想が見えるような個性的な本屋が増えて欲しいものです。六本木ヒルズのTSUTAYAは小さいけれど私はとても好きだったのですが…、当分行けそうにありません。


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