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2012/01/02(月)
オーディオ ・アミーゴVol.9から
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――修理したり、チューンナップしたりするオーディオ・ドクターという仕事は、どういうことから始められたのですか。
オーディオの総合病院を 最近、とくにメーカーがなくなったり、なくならないまでも、オーディオ製品を作らなくなったり、ということがあります。オーディオの好きな人の愛用する機器が壊れたとき、どこに持っていったらいいのか困ってしまいます。そんなときに相談する総合病院のようなものがあったら、ということで始めました。修理だけではなく、音のよくなる機器の改善にも相談にのります。必要なら、オーディオ機器そのものを作ることも考えました。その一つが、ゲルマニウム・トランジスタを使用したアンプです。
――ゲルマニウムのアンプとは、珍しいですね。
オーティオのアンプなどは、真空管からトランジスタに変わったとき、最初はゲルマニウムが使用されていたのです。その後シリコンが開発されて、これが使われるようになった。ゲルマニウムをアンプなどの機器に使った場合、て測定値としてよい特性を出すのは、なかなか難しい。そういうデバイスだったのです。 それに比べてシリコンは、安定性に優れ、熱にも強く、簡単によい特性を引き出すことが出来るデバイスでした。技術者にとって非常に扱いやすい材料だったのです。それで、どんな機器にもシリコンを使うようになってしまった。 しかし、オーディオ機器にゲルマニウムが使われなくなってからだいぶたちますが、いま聴いてみると、非常に音がよいのです。シリコンの音はパサパサしていますが、ゲルマニウムはしっとりしているのです。
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