ロバの耳
最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2005年9月
前の月 次の月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
最新の絵日記ダイジェスト
2006/08/15 夏休みV
2006/08/14 お盆
2006/08/09 おとぎばなし
2006/07/30 殺しの儀式
2006/07/28 大雨と長靴

直接移動: 20068 7 6 5 4 3 2 1 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 月 

2005/09/08(木) 雑誌・「歴史群像」10月号
 雑誌の定期購読って楽です。お金は前に払ってあるし、発売日にはきちんと届くし。

 雑誌を買う習慣が無いことはくどくどしく言っていますが、唯一買い続けている雑誌です。もう五年になります。隔月というペースが私にはちょうど良いです。

 今回の目玉は「フィリピン攻略戦」。これは日本が破竹の勢いで勝ち進んだ戦いのはずですが、それでも副題は「緒戦の大捷に隠された帝国陸軍の欠陥」。この雑誌にかかると太平洋戦争における日本軍の作戦は全て杜撰なものだったことになるようです。いや、実際にそうだったのでしょう。

 それから巨大潜水艦伊401の未公開写真、徳川家康、東部戦線の死闘、ローマ帝国の誕生、検証・武田騎馬軍団不在説と、歴史・戦史ファンにはたまらない記事の数々。

 そんな中で今回特に嬉しかったのは、三景艦についての記事。

 三景艦とは「松島・橋立・厳島」のことです。これらの艦はそもそもの設計思想が凄かった。日清戦争前夜、中国の巨大艦・鎮遠、定遠に対抗する船を貧乏な日本は作ることが出来なかった。そこで日本は、小さい船に不釣り合いなばかでかい大砲を一門ずつ積み、お互いに神業のような連携をすることで、一隻の巨大艦の役目を果たさせようとしたのです。

 当然のごとく、そういう偏りは思想の上ではともかく、実戦ではとてつもない齟齬を生み出します。漫画「日露戦争物語」にも描かれていますが、まず砲を左右に向けるだけで船が恐ろしく傾いて仰角がとれない。そのため射程が伸びない。そして撃つとその衝撃で船の進路が大幅にずれる。操作性が非常に困難。発射速度は遅い……とまぁ、散々なものでした。

 そして本番の黄海海戦では、三景艦が放った砲弾による成果はゼロ。海戦の勝因は安定性のある小型速射砲にあったのです。

 初っ端の近代海戦でそういう戦訓を学んだはずなのに、それでも後に大艦巨砲主義に走る日本。いつの時代も教訓を生かせずに終わる愚かなる日本なのでした。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.