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2005/09/15(木)
漫画・「ダーリンは外国人」小栗左多里
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甥とともにやってきた妹が、「面白いよ」と言って貸してくれました。題名からもわかるとおり、外国人と結婚した著者のルポ風漫画。面白さはまぁまぁ。
「ホラー映画を見て飛びあがる」 「顔の彫りが深い」 「クレーマーである」 「ポジティブシンキング」 「笑いのポイントが違う」
異文化を「楽しむ」なら良いのですが、「笑う」っていうのはちょっとどうなんだろうと思います。本書はそんなに極端なスタイルではないのですが。
外国の方の言動を見て笑う人たちは、世界が特殊なのではなく、日本が特殊であることをわかっていないのではないのでしょうか。そして、外国の人たちも日本人の言動を見て自分達と同じように笑っていると考えているのではないでしょうか。
例えば、テレビなどで外国の方が間違った日本語を使うと観客は大笑いしますよね。だから外国語をまともに喋れないと、自分も大笑いされると思っている。だから外国語を話す行為は恥ずかしい行為だと思ってしまう。
日本人は周囲と同化し、目立たないことが美徳とされてきました。だからちょっと奇異な行動をとったり、自分とみかけが違う者がいたりすると攻撃的になったり、排他的になります。 これは様々な文化が絡み合う世界的な規模で物事を見る場合、実に愚かな行為です。日本人だって、そこに人がいればいるだけ一人一人の個性は違っていて当たり前。その違いをいちいち笑ったり、排斥したりしていたら、いつの間にか周囲からくくられているのは自分達、ということにもなりかねない。
繰り返しますが、本書はそんな漫画ではありません。外国人の夫と日本人の妻のカルチャーギャップというよりも、トニー(夫)とさおり(妻)の人格ギャップを楽しむ本というべきかもしれません。
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