ロバの耳
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2005/08/31(水) 私事・鈴虫
 父親が鈴虫を飼い始めました。これがうるさくてかないません。
 私がまだ小学二年生の頃、当時住んでいた埼玉の公団団地で大繁殖させ、毎夜「り゛ーん」という大音量を響かせていた悪夢が蘇ります。

 鈴虫を買うコツというのは、少ない数を広い場所で飼うことなのだそうです。そうすると適度な間隔を置いて静かに鳴きます。たくさんの鈴虫を狭い入れ物で飼うとひっきりなしに鳴くようになります。これは雌へのアピール合戦で雄同士が必死になるからだそうです。

 また、数いるとそれだけ音量も大きくなります。蝉もそうですが、虫というのはバラバラに鳴かず、声を揃えていっせいに鳴くという習性があります。蛍の明滅にしても初めはバラバラでも不思議と揃っていくものだそうで、これは雌へのアピール効果をより高めるためらしいです。いっせいに鳴かれると、共鳴効果も手伝って大変な音になります。ほとんど暴力的と言っても良いくらい。

 よく日本人と欧米人では虫の音を聴くために使う脳の部分が違っていて、日本人は良い音色に、欧米人は雑音に聞こえるなどという話を聞きますが、度を超した音量は雑音・騒音に他なりません。

 生き物を飼うのは自由ですが、他人や家族に迷惑をかけていないかどうか、その辺を心がけて欲しいものです。

2005/08/30(火) 私事・気になっている本
 買おうかどうしようか、迷っている本があります。

 コーネル・ウールリッチの生涯 (上・下)
 F・M・ネヴィンズ・Jr (著), 門野 集 (翻訳)

 朝日の書評で紹介されていたのですが、なんと全作品の解説がついているらしい。

 私も全作品に目を通したわけではないので、読んでから買うか……でも、そんなことをしているうちに絶版になってしまいそうです。

 しかし、上下巻二冊で6千円は……。

2005/08/29(月) 音楽♪「初花凛々」SINGER SONGER
 先日、東京に行っている間に家に来ていた妹が、帰る間際に置いていったものです。

「買いたいCDあるんだけどさー、今、お金無くて〜」

 駅まで車で迎えに来てくれた妹は、そんなことを言っていました。そんな中で買ったCDですからよほど気に入った曲なのでしょう。

 女性ボーカルにノリの良いテンポ。ちょっとAdvantageLucyを彷彿とさせます。だから私に勧めてくれたのかもしれません。
 でも、あまりピンときませんでした。

 そもそも最近、あまり音楽を聴く気になれません。買うCDは落語ばかり。「空気公団」で一種の理想に出会ってしまったからでしょうか。何を聴いてもつまらないのです。

 ふと気がつけば、音楽CDを聴くのも久しぶりです。こんなに音楽を聴かずに過ごす期間が長いのは人生で初めてかもしれません。

 どこかでまた心に響く音楽に出会いたいな。

2005/08/28(日) 本・「ある殺意」P.D.ジェイムス/青木久恵訳 ハヤカワ
 ある秋の晩、ロンドンのスティーン診療所の地下室で、事務長のボーラムの死体が発見された。彼女は心臓をノミで一突きされ、木彫りの人形を胸に乗せて横たわっていた。ダルグリッシュ警視が調べると、死亡推定時に、建物に出入りした者はなく、容疑者は内部の者に限定された。尋問の結果、ダルグリッシュはある人物の犯行と確信するが、事件は意外な展開を……現代ミステリ界の頂点に立つ著者の初期の意欲作。改訳決定版。
(文庫カバー裏より)

 1963年の作品。デビュー作「女の顔を覆え」に続く長編第二作目だそうです。文庫化が他の作品よりもずいぶん後回しにされました。
 P.D.ジェイムスにしては珍しい、容疑者の限定される空間で殺人事件が起こって尋問が行われ、最後に意外な真犯人という古典的なスタイル。そのせいかどうかはわかりませんが、いつもの彼女の作品を読む時に感じるその文体の魅力はほとんど感じられず、読んではやめ読んではやめと、なかなかその世界に没頭できませんでした。中盤から後半にかけては一気に読み通しましたが。

 正直、感想は「もの足りない」と言った感じ。作者が自分のスタイルを完全に構築する前の実験作というか、この方向性で進まずに良かったと思うような作品です。そもそも私が彼女の作品に求めるものは「犯人は誰なのか?」という興味よりも、「この小説が終わらずにいつまでも続いて欲しい」と思わせるような仮想現実の世界への誘いなのです。

2005/08/27(土) 私事・右肩の痛み
 もう数週間、右肩の痛みが引きません。

 たぶん、目の疲れから来る肩こりか、誘導による旗振りの影響だとは思うのですが、首の所から肩胛骨の辺りまでが痛くて痛くて。サロンパスもピップエレキバンも利きません。

 いい加減うんざりです。誰か必殺技を持っていたら教えて欲しい。

2005/08/26(金) 私事・ウラシマ効果について
 ちょっと気になることがあって相対性理論のことを調べまくっていましたら、こんなフリーソフトに出会いました。

http://homepage3.nifty.com/hiraya/ltclock.htm

 光時計です。

 これは「物質が光速に近づけば近づくほど時間の進みが遅くなる」俗にウラシマ効果と呼ばれる現象を疑似体験できる時計です。ソフトを起動させると宇宙船内の時間と地球時間が表示され、光速のスピードで地球を離れていく宇宙船と地球時間の誤差を目で見ることができます。もちろん、宇宙船の速度を0から99.99999……まで変えることができ、表示される時間も、PCの時刻を宇宙船の時間にしたり地球時間にしたりすることができます。PCの時間を宇宙船時間にすると、地球の方の時間の進み方が早くなっていくので、まるで宇宙船にのっているような気分を味わえます。

 ただそれだけで、特に何かの役に立つというソフトではありません。どんな表示が出るのか、下に参考画像を載せておきます。

 「光の速度に近づくと相対的に時間の進みが遅くなる」のが何故かということに関しては、調べてみると意外と簡単な理屈であることがわかりました。

 まず、前提として相対性理論では、「光の速度は常に一定」という決まり事があります。それと小学生でも知っているような「速度=距離÷時間」という式を組み合わせて考えるのです。

 時速60キロで走る車に乗り、時速60キロで向こうからやってくる車とすれちがうと、相手の車は60+60=120キロ/時に見えます。
 ところがすれ違う対象が光の場合、こちらが時速60キロだろうが、秒速1000億キロだろうが、光はいつも同じ速さに見えるのです。

 そうすると、光に関して「速度=距離÷時間」という式が成り立たせる為には、時間が伸びるか、距離が縮むかするしかないということになります。時間が伸びる、つまりゆっくり進むと考えるのがウラシマ効果。

 ちなみに距離が縮む、という考え方もあるようです。(「ローレンツ短縮」というらしい)

2005/08/25(木) マンガ・「超常機動サイレーン@」井原裕士 メディアワークス
 面白いです。はまりました。この歳でラブコメにはまるというのも恥ずかしいのですが。大体、題名からしてなんかオタクくさいですよね。でも絵柄も内容も萌え系でも秋葉系でもないと思うんですよ、個人的は。

 基本的には特撮ヒーローマンガです。古くは「ウィングマン」「パトレイバー」みたいな。でも、本筋は少し違います。

 ヒロインの波良(なみよし)めるなは、サイレーンという市街でのテロ集団を想定した政府第三セクターである公共警備防衛機構(略して公警)に所属する特殊部隊の一員で、精神波でパワーを強化させる戦闘スーツサイ・ドルフィン≠着用する女性です。

 一方、悪の組織的な集団はエコロジーを謳い文句にし、各地の工場を巨大なメカや改造人間で襲撃するのですが、もう一方の主人公・ドクターMこと水凪(みなぎ)俊一郎はその組織の博士。お茶目な首領に突っ込みをいれるようなクールな科学者です。

 この二人がお互いの正体を知らぬままに、次第に恋におちていくというのが、メイン・ストーリーなのです。

 でも、その過程がやたらとおかしい。二人はひょんなことで知り合いとなるのですが、水凪はめるなが敵対する公警の職員であること知って、情報を引き出そうと考えて、食事などに誘うようになります。めるなはそんな思惑はしらず、誘いに応じます。ところが水凪が情報を引き出すためにすることは全てある意味裏目。どんどんめるなの好感度をアップすることに繋がってしまうのです。

 また、二人とも組織の中である程度重要なポジションで働く者同士なわけですから、お互いの時間作りなどにも苦労をするわけです。今時の恋愛ドラマのパロディにもなっていてその辺も面白い。

 題名には少し引くかもしれませんが、機会があったらぜひぜひ読んでみてください。とっても面白いですから。

2005/08/24(水) ドラマ・「名探偵ポアロ・第九シーズン」
 ロンドン・ウィークエンド・テレビジョンが89年から放送しているシリーズ。ポアロ役はデイヴィッド・スーシェ。吹き替えは熊倉一雄。

 第九シーズンは2003〜04に制作された、『五匹の子豚』『杉の棺』『ナイルに死す』『ホロー荘の殺人』の四作です。昨日『ナイルに死す』、本日『杉の棺』が放映されました。明日は『五匹の子豚』、明後日に『ホロー荘の殺人』が予定されています。

 この放映順、ドラマ制作順とは違っているのですが、(先に並べた順序が制作順)、実は原作が発表された順になっています。『ナイルに死す』が1937、『杉の棺』が1940、『五匹の子豚』が1942、『ホロー荘の殺人』が1946。ちょうど第二次大戦期と重なっていますね。ドラマ中でもしきりとドイツでのナチの話題が口にされています。

 この四作品中、原作は『ホロー荘の殺人』以外は読んだことがあるのですが、今回、ドラマを見て、クリスティーのプロットの複雑さには頭が下がる思いがしました。見かけ上のストーリーの内部に様々な真実や隠されたストーリーが動いているのです。彼女はよほどの夢想家か、大うそつきだったに違いありません。

 私は日本のミステリの中で、坂口安吾の『不連続殺人事件』という作品が大好きなのですが、この作品をかの横溝正史は「アガサ・クリスティーのABC殺人事件の複数化である」と連載途中で見破ったと『真説・金田一耕助』の中で書いています。

 なるほど、動機という面において確かに『不連続』は『ABC』の複数化です。しかし、今までこのことに言及している文章は見たことがないのですが(はっきりしすぎていて誰も言わないだけかもしれませんが)、今回の『ナイルに死す』のドラマを見て、今更のように『ナイル』からも『不連続』は多大な影響を受けていることに気がつきました。多くは語りませんが、ある設定がそのままそっくり同じなのです。

 つまり坂口安吾は『ABC』と『ナイル』をミックスして『不連続』を生み出しているのです。坂口安吾は、よほどクリスティー作品に傾倒していたのでしょう。

 自分にはとても考えつけそうにない、男女の愛憎劇とお金の絡んだ犯罪物語。明日と明後日の残る二作品も楽しみです。

2005/08/23(火) 映画・「ロボッツ」監督/クリス・ウェッジ
 仕事が休みになったので、床屋に行って頭を丸めてから映画を観てきました。

声の出演:草なぎ剛、矢田亜希子、山寺宏一、西田敏行

「ロドニーは、両親思いで心優しく発明大好きなロボット。自ら発明したものを持ち、小さい頃に聞いた「誰でも輝くことができる」という博士の言葉を胸に、大都市ロボットシティへ旅立つ。しかしそこで見たものは、古くなったロボットをスクラップにしてしまうというむごい現実だった。その事実を知ったロドニーは、ロボットたちのため、両親のため、そして「輝く」という自分の夢のために立ち上がる」
(Forte TOHO7より)

 ベタなストーリーですが、個人的には面白かったです。スピード感もあったし。CGは下手にリアルなアニメを撮ろうとするよりもこういう使い方の方がよほど見られます。

 ただ一つうさんくささを感じたのは、「古い物は切り捨て、全ては新しくアップグレードしていけば良い」という思想を「悪」としていることです。そしてそれを最後に完全にうち負かしてしまうこと。

 現実はまったくその逆で、例えば携帯電話やPCなどはどんどんアップグレードが進んで古いままだとさまざまなソフトに未対応になっていますよね。そんな社会のあり方は「悪」なのか。
 もちろん、良いとは思わない。リサイクル社会の方がエコロジーであることは間違いない。しかし、資本主義社会では必ずしも「悪」とまでは既定できない面もある。

 それとも制作者側は、この映画の世界だけに限定して、安易にこういうテーマを取り扱っているのか。そしてお金がかかり貧者に対して厳しい「アップグレード」を「悪」とし、それをうち負かしてしまっているのか。

 基本的な筋はサクセスストーリーの黄金パターン+人情ものとして楽しめましたが、その辺の現実との齟齬に違和感を覚えずにはいられませんでした。

2005/08/22(月) 落語・「紋三郎稲荷」二代目三遊亭圓歌
 二代目三遊亭円歌
 明治24年4月28日新潟県新潟市生まれ。

 新潟中学卒業後、横浜の貿易商をはじめとして、様々な職種に就いたが、いずれも長続きはせず、やがて地方周りの芸人一座に加わり三遊亭柳橋という柳三遊を掛け合わせた名前で巡業中に北海道にて、二代目の三遊亭小圓朝に発覚して、大正4年プロに転向初代三遊亭圓歌に入門して三遊亭歌寿美(さんゆうていかすみ)を名乗る。その後歌奴と改名しその名前のママで大正10年4月に、真打ちに昇進し、昭和9年10月に二代目三遊亭円歌を襲名した。

 地方訛りと、吃音というハンディーを見事に克服し、明るい芸風で古典新作に独特の味わいをもっていた。

 初代圓歌門下に兄弟子の三遊亭歌当(さんゆうていかとう)のちの三代目三遊亭金馬がいて終生代わらぬ友情で結ばれていた。

 三代目の三遊亭金馬が、実体験から創作した『取り次ぎ電話』を二台目の円歌がやりたいと言ったら、その後この噺を円歌にゆずり、生涯やることはなかった。この『取り次ぎ電話』が題名を『呼び出し電話』と改名され、生涯を通じて、円歌の十八番になり、さらに『空き巣の電話』『社長の電話』と電話シリーズを生み出す切っ掛けとなり、電話の円歌、または電話落語と呼ばれるようになった。

 落語協会副会長に就任後昭和39年8月25日に74歳で永眠した。
(柳亭燕丸のHPより)

 「紋三郎稲荷」は面白い噺です。

 籠にのったお侍がひょんなことからお狐様と勘違いされ、悪のりして狐のふりをする。宿でも下へも置かぬもてなしぶり。翌日、やりすぎたことに気がついて逃げ出すと、その姿を見ていた狐が「最近は人の方がうまく化かす」とこぼすというオチ。オチとしては「王子の狐」の方が気が利いていますが。

 話は変わりますが、最近、同じ噺を立て続けに見たり聞いたりしました。

 一つは米朝の「はてなの茶碗」。東京に行ったおり、友人のSの家でビデオに録画したものを見せてもらったのですが、先週の金曜日にNHKラジオ第二の「上方演芸会(再)」を聴いたら、恐らくは同じ席であろう「はてなの茶碗」を流していました。

 もう一つは喬太郎の「寿司屋水滸伝」。東京に行ったおり、寄席で喬太郎がやっているのを見たのですが、昨日の笑点でも喬太郎が出てきて、やっぱり「寿司屋水滸伝」をやっていました。

 

8月絵日記の続き


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