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2005/07/06(水)
本・「銭形平次捕物控(11)懐ろ鏡」野村胡堂 嶋中文庫
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「ね、親分。幽霊が人を殺すでしょうか」──八五郎がもってきた今度の事件は…。町道場の高弟・川波勝弥が後ろから一と突きに刺されて死んだ。最も疑わしいと思われる人物には完璧な不在証明がある。一方、死体の傍らには川波に捨てられ自害した娘の懐ろ鏡が割れて落ちていた。表題作「懐ろ鏡」ほか十編を収録」 (カバー裏より)
第2期全5巻目の1巻目です。
ここまで読んでくるとこちらの記憶力の曖昧さも手伝って、なんだか以前に読んだことがあるような気がする短編がちらほらまじってきました。いえ、実際に読んだことのある短編もあるのです。嶋中文庫でこのシリーズが出る前に、光文社文庫で一冊、読んでいましたから。例えばこの巻では、「刑場の花嫁」というのがそれに当たります。愛する者を無実の罪から救うために、白無垢の花嫁が刑場に現れて時間稼ぎをするというドラマティックな話。
同じ話ではなくても、ネタは間違いなくかぶっています。八五郎がメインで活躍するというパターンの話、「八五郎手柄話」。江戸を荒らした盗賊が戻ってくる話「巨盗還る」、怪しげな新興宗教の話「活き仏」、消えた十万両の行方を捜す「十万両の行方」……。何百と話を書いていれば、似たようなネタを使い回さざるをえないのはやむないことでしょう。
ちなみにドラマのところでも述べましたが、原作の平次は滅多に銭を投げません。この十編の中でも一度も投げないどころか銭に関する話題にふれた作品は一編もありませんでした。 それに事件の犯人は1人です。ドラマではチャンバラを見せるがゆえに犯人は一味の場合が多いですが。
DVD・「デスサイト」監督/ダリオ・アルジェント
2003・伊 出演 ステファニア・ロッカ
「『サスペリア』『フェノミナ』で世界を席巻したダリオ・アルジェントが放つサイコホラー!インターネットをキーワードに、現代社会の闇を突き刺す! イタリアでは公開一週目で3億6千万を超える大ヒットを記録!」(DVDカバーより)
ダリオ・アルジェント監督の最新作。mixiのコミュでその存在を知って慌てて借りてきました。インターネットや携帯などを取り入れたストーリー展開は今時のハリウッド系サイコサスペンスぽいですね。そこここにアルジェント的な映像が見え隠れするのが大きな違いです。もっとも、今回は芸術的ともいえる派手な殺しの演出はありませんでしたが。
ストーリーは映画より小説にした面白そうな話でした。メインが犯人とのポーカーゲームですから。犯人と警察がポーカーゲームをし、警察が勝てば誘拐した女性を解放、負ければ殺すという殺人ゲーム。被害者の様子はライブカメラで中継されるという、こういう演出は今でなければできないものですね。途中、ポーカーに強い少年をスカウトしてきて犯人と対戦させるという演出も良かったです。
犯人の意外性はちょっと物足りなかったかな。破綻はありませんでしたが。
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