ロバの耳
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2005/07/13(水) 本・「ジェリコ街の女」コリン・デクスター/大庭忠男訳
 文体修正のために読み直しました。デクスターのように読みやすくて面白くて魅力的な文章が書けるようになりたい。そのためなら悪魔に魂を売っても良いのに。

「モース警部がジェリコ街に住む女アンに出会ったのは、あるパーティの席上だった。すっかり意気投合した二人は再会を約すが、数ヶ月後、彼女は自宅で首吊り自殺を遂げた。はたして本当に自殺なのか? モースにはどうしても納得がいかなかった。やがてアンの家の近所で殺人事件が起こるにおよび、モースの頭脳はめまぐるしく動き始めた。前作に続き、英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞を連続受賞した傑作本格ミステリ」(カバー裏より)

 ストーリーはもちろん、デクスターのモース・シリーズはどれも面白いので、時々読み直しています。

 この話の中で好きなシーンは、やはり冒頭のパーティのシーン。モースとアンのやりとりですね。モースは女性をくどくのが上手です。アンも若いイケメンを「退屈な男」と称して、モースの内面的魅力に惹かれるとは、男を見る目があります。二人の運命がすれ違ってしまったのは残念です。でも、そうならないと物語が始まりませんが。

 それから、モースの相棒的存在であるルイスの登場シーンも凄く好きです。有能ではあるが変人で、とても扱いずらい上司であるモース。しかし、ルイスはそんな彼にとても惹かれてもいる。そんなモースから「ルイス、おまえが必要だ」と言われてひっぱり出される喜び。
 彼の奥さんもわがことのように夫の喜びを共有しますが、これは読者の視点でもあると思います。天才モースが凡人ではありますが誠実なルイスを必要とし、ルイスが無邪気にそれを喜ぶところに読者も喜ぶ。「ホームズにワトスンあり」の王道ではあるんですけれども。

 最後に一つだけ不満を言えば、この物語ではモースが事件の一部となってしまっている点です。個人的な好みを言うと、このパターンはあまり好きではありません。やはり探偵は傍観者の位置にいてほしいものです。
 でも、それでもとても面白く読めてしまうのですが。


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