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2005/05/19(木)
私事・壊れた椅子
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何も紹介するようなことがないので、本当に些末な私事を書きます。
今日、庭で炭火で鮎と虹鱒を焼いて食べていたら、腰掛けていた椅子が突然バラバラに壊れました。斜めに崩れるように、まるでコントのワンシーンのように。私は崩れた方向にスローモーションで転がって、ジーパンのお尻の部分の布がL字型にびりりと破けました。
この椅子、もともとはミシンの椅子です。それも私が生まれる前に母が買った足踏み式ミシンについていた椅子でした。既に四十年近く前の物と思われます。ですからまさに私はこの椅子と共に人生を過ごしてきたと言っても……いや、それはかなり過言ですね。でも、子供の頃からこの椅子でいろいろ遊んできたりした思い出があるわけです。
この椅子は背もたれのない木製の椅子なのですが、横にぽっちがついています。それを押すと座る部分がぱかっと開いて、中に──まぁ、恐らく糸や針の類なのでしょうが──物がしまえるようになっています。それは持ち主である母も知らない秘密で、私はよくそこに物を隠したりしたのでした。
本体である足踏み式ミシンは既にあるはずもなく、最近は主に台所で母が手の届かない棚から物を下ろしたりするのに台座として使われていました。母が使用している時に壊れなかったのが不幸中の幸いであったというべきでしょうか。壊れてからわかったのですが、その椅子は木の板をボンドで張り合わせただけの、釘一本使われていない物でした。逆に良く今までもったものです。
椅子はあわや木屑となって捨てられる運命かと思いましたが、どうせ母の台座は必要なのだからという私の一言で、父により強固な修繕を施されて(ねじ釘や補強板を使用して)復活しました。あとお尻の破れたジーパンは、電子ミシンを使用する母の手によって繕われました。
ちなみに私は倒れても焼いた鮎を投げたり放したりはしませんでした。その鮎は私によって美味しくいただかれました。
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