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2005/04/09(土)
落語・日本の話芸『小言幸兵衛』三笑亭可楽
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当代の可楽を初めて見ました。 もちろん、先代の可楽も見たことはないのですが、ラジオなどで独特の語り口調をけっこう気に入っている噺家です。それで、当代はどんな感じなんだろうとは思ってはいたのです。
出し物は「小言幸兵衛」。そんなに好きな噺ではありません。もちろん、面白い人がやればどんな噺でも面白くはなるのですが、本来小言なんてあんまり聞いていて楽しいものではないので。
人に小言を言うのが癖という、大家の幸兵衛さん。長屋の空き店を借りたいと来る者に次々と小言を言っては追い返してしまいます。豆腐屋さんには十年連れ添った女房が子供を産まないから別れろといい、仕立屋さんには息子が近所の古着屋の娘と心中騒ぎを起こすからダメだといい……。
噺の聞かせどころは仕立屋の息子と古着屋のお花坊との恋の道行きをどんどん幸兵衛さんがふくらませていくところでしょう。でもそこが面白いのはもはや幸兵衛さんが語るのが「小言」ではなく、「妄想」だから。
当代の可楽は先代と違ってはっきりした喋り方をする人でした。お歳のせいか、少し舌のもつれるところもありましたが。
時間の半分くらいを枕に使いましたが、個人的にはこちらの方が本編より興味深く、師匠である先代の可楽が落語界に足を踏みいれたわけ(稲荷町に住んでいて、近所に小さんがおり、落語家の怠惰な生活を見てそれに憧れたのだとか)や、志ん生の「なめぐし長屋」の由来などを語っていました。
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